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2006.08.10

レバノン情勢 (8/8)

(BBC)
(MOHAMMAD KABBANI:Lebanese Member of Parliament)
「イスラエルは地上で勝利を勝ち取りたいんだと思っています。
今の所イスラエルは勝利していません。
これは大きな損失です。
ですから勝利宣言をしたいんだと思います。
国連での勝利を必要としています。
イスラエルは死傷者の数を余り心配していません。
以前はそうではありませんでした。
兵士に死傷者が出ることを心配していました。
今はそうではありません。
ある程度の死傷者は受け入れるつもりのようです。
これは余り変わらないと思います。
それでもヒズボラを駆逐することができません。
20キロ、30キロまでは侵入しても、それ以上は行かないと思います。
<今週停戦があるでしょうか>
停戦について話し合われています。
いつそれが達成されるか分かりませんけれども、
アメリカ、イスラエルが時間稼ぎをしているんだと思います。
イスラエルが地上で成果を出せるようにする為です。
そして全世界の世論に対して、民主主義が勝利したと示したいんだと思います。
民主主義がテロリストに勝利したというイメージを打ち出したいんだと思います。
テロリストがイスラエルを攻撃したので、その報復を行っているということです。
今、イスラエルが行っているのは、国家テロです。
民間人が犠牲になっています。
これには制裁が下されるべきだと思います。
アメリカがイスラエルを支援しているということは非常に残念です。
それによってイスラム諸国の原理主義を破壊できると
信じているとすれば、それは間違っています。
ヒズボラはアラブ世界ではとても人気があるんです。
ナスララ師はアラブでは英雄とされています。
一か月前と違います。
このような戦争が続けば、原理主義は更に繁栄すると思います」

(仏F2)SAFED
「病院にはヒズボラのロケット弾に対する防御設備がなく、
危険な状況に置かれています。
守衛のイランさんはいつも防弾チョッキを身に付けています。
それもその筈で日に20回から30回も警報が鳴るのです。
その度に心臓の鼓動も速くなりますが、なんとか落ち着いて詰め所に戻ります。
<どんな気分ですか>
『最悪です。早く平和になってもらいたいです』
ここはサフェドの病院です。
国境から数キロしか離れていません。
ですが病院のスタッフはほぼ全員が残りました。
アニエス・ジンブレイ医師はパリ出身で98年からイスラエルに住んでいます。
インターンとして勤務していますが、特に保護がある訳でもなく、
勇気と使命感だけで仕事に臨んでいます。
(Dr.AGNES DJINBRE)
『何があっても患者のケアを続けるのが医者です。
このように病院のそばにも砲弾が落ちてきます』
先週は病院の西側の壁に着弾しました。
患者達は恐怖におののき、アニエスさんが落ち着かせました。
自分の怒りの気持ちは抑えています。
『イスラエル側は特に民間人を攻撃しようとしてのではありません。
ですがここには特に民間人を狙ったロケット弾が3500発も着弾しています』
病院ではスタッフの為に臨時の託児所も作りました。
子供をここに預けるのも勇気の要ることです。
この部屋も防御設備がある訳ではなく、
単にロケット弾に直接さらされないというだけなのです。
『もちろんこういう状況で良いとは思いません。
もっと普通に夏休みにはプールに連れて行くとか、
友達と遊ばせるとか、誰もがしていることができたらとは思います。
ですが今は最小限の便宜だけで良しとするしかありません』
<ロケット弾って何が知っている?>
『うん。火をつけるもの』
その『火をつけるもの』は窓ガラスや生活を吹き飛ばしてしまうものは、
この日も病院から二百メートルの所に落ちました。
人の命を闇雲に奪うものです」


(BBC)Tyre:シンプソン記者
「年老いた人や体が弱った人は理解できず、当惑しています。
サラーンさんは、1982年にイスラエルがレバノンを侵略した時、
一年半にわたって拘束され、生活が破綻しました。
抵抗の気持ちを示す為に街に留まっている人もいます。
マルーフさんの家族は全員留まっています。
パレスチナ人ですが、ヒズボラには強い団結を感じると語っています。
八日ティールは殆ど静まり返っていました。
聞こえてくるのは、上空を飛ぶイスラエル軍の偵察機の音だけです。
住民の大半はイスラエルの警告を肝に銘じているのでしょう。
しかし皮肉なことに周辺の村と違って
ティールはヒズボラの拠点ではありませんでした。
それでもティールは包囲されています。
空爆から免れることはできません。
イスラエルの締め付けは今日もまた完璧でした」

イスラエル軍の司令官による八日の会見
「この上空からの偵察映像を観ると、
ヒズボラが住宅街からロケット弾を発射しています。
司令官によると、ヒズボラは長距離ロケット弾ゼルザルの大半を
ベイルート南部に隠しています。
だからこそベイルート南部に激しい攻撃を加えたのだと言います」

<この物資を届けるのはどのくらい困難なんですか>
(ANGUS FRASER:World Food Programme)
「とても困難です。橋が破壊されました。
唯一の方法は北からです。シリア国境からです。
橋が全て破壊されてしまいましたので、
一つしかない道路を使わなければなりません。
南レバノンにはたくさんの橋があります。
その橋の全てが破壊されてしまっています。
ティールなどに行くこともできません。
イスラエル国防省の決済が必要です。
前後には装甲車が必要です。
ロゴを貼り付けなければなりません。
そして上から見られるようにUNと大きなロゴをのせています」

Kiryat Shmona:KATYA ADLER記者
<戦闘に反対論は出ていますか>
『出ていませんね。
国境の街で数週間取材を続けていますが、
市民は戦闘を続けるべきだと言っています』


(ABC)
ベイルート南部への空爆:DAVID WRIGHT記者
「少なくとも50人が死亡したとみられています。
大半が女性と子供でした。
イスラエル軍はここはヒズボラの基地であり、
亡くなった民間人はヒズボラの犠牲者だと主張しています。
夏休みの間、救急隊の仕事を手伝っている、
普段はアメリカの大学の医学部に通う学生はそうは受け止めていません。
昨日から遺体の収容作業にあたっています。
<殆どが民間人ですか>
『全員が民間人なんです』


(PBS)Tyre
「八日赤十字国際委員会の JACOB KELLENBERGER 委員長は、
(人一人が何とか渡れる手作りの橋を通って)現地を訪れ、
二つの重要な課題があると述べました。
『空爆を受けた村から怪我人を救出しなければなりませんが、
今は入ることができません。
今日の午後、事態が改善されたと聞きましたが、まだ不十分です。
また瓦礫の下から犠牲者の遺体を収容する為のルートを確保する必要があります』


(CNN)Tyre:Ben Wedeman記者
「望んでもここから離れられないと住民は言います。
『どうやって避難できるんだ。
お金も車も道路もないんですよ』
レバノンの赤十字、移動診療所、薬などを住民や避難民に配ります。
ティールの市当局者によりますと、住民の80%が避難したといいます。


(アルジャジーラ)
「サイダの南の街ガーズィーヤでは、前日の空爆による
犠牲者を埋葬しようとして遺体を運ぶ住民を空爆したのです。
犠牲者の遺族は埋葬を終えようとそこから引き下がりませんでした。
『ここには民間人と南からの避難民しかいません』
転々と避難を続けてきた人々は、
何故彼らが標的とされるのか分からないと言います。
『攻撃された場所で、武装した人や軍の施設があった場所はありませんよ。
全て民間の建物と民間人です』


イスラエルの脅迫、国連の人道的援助を阻む(エル・ムンド紙)
http://asyura2.com/0601/war83/msg/505.html

レバノンへの人道支援物資輸送、極めて困難=国連難民高等弁務官(AFP=時事)
http://news.www.infoseek.co.jp/afp/society/story/20060809afpAFP008107/

イスラエル:国連部隊が破壊された橋を修復しようとする気ならやっつけるぞ
(ガーディアン紙)
http://asyura2.com/0601/war83/msg/514.html

イスラエル、レバノンのパレスチナ人難民キャンプを攻撃
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060809AT2M0900M09082006.html

トルコ、国会議員217人がイスラエル議連を脱会
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060809AT2M0900509082006.html

イスラエル軍が葬列を空爆、14人死亡…レバノン南部
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4800/news/20060809i103.htm

レバノン首相の寄稿(ワシントン・ポスト)その1、その2
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/a421b2cbdc40556d3e8d9d017d4fc16d

イスラエルのレバノン侵攻における軍事広報戦略
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/08/post_9798.html

「取り残された家族はヒズボラに惹かれる」8/8ロバート・フィスク
http://heartland.geocities.jp/readingfisk06/textbn/080806.html

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