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2006.08.06

レバノン情勢 (8/5)

(BBC)UNHCR
「まず緊急なニーズに対して迅速に反応することができません。
また食糧品だけではなく、医療品、そして交通手段も私達は提供しています。
また運送も支援しています。
今の所、レバノンの人達の家族の繋がりということが
非常に強い威力を発揮しています。
こうした家族の繋がりによって支援物資が届いています。
こうした人達の強い繋がりがなければ、
私達も活動することができませんでした」

<イスラエルの攻撃はベイルートを破壊していると言われていますが>

「その通りです。大きな問題が生まれています。
その為に私達が色々な場所に支援物資を
搬送できるやり方をいつも模索しています。
また国境近くでは、大きな通りではなく、
小さな小道を通ってでも支援物資を運びたいと考えています」


(CNN)UNHCR
「ヨルダン政府の飛行機を借りて届けることになっています。
実際大量の支援が必要なんですが、主要な橋などが破壊されています。
停戦があったとしても、橋を建て直したり、
遠回りする為の道も破壊されているので、実際大変な状況なんです。
移動する為の燃料もない状態です」


(BBC)
北ベイルートへの空爆
「これはヒズボラへの攻撃ではなく、レバノンのインフラへの攻撃です。
ベイルートから北部経由でトリポリに繋がる幹線道路です。
しかもキリスト教徒地区です。
ベイルートを更に孤立させること以外にイスラエルは何を得たのでしょうか。
近くにいたキリスト教徒達に尋ねてみました。

(Tony Massor)
『私達はヒズボラを支持すべきです』

<貴方はキリスト教徒なのにヒズボラを支持すべきと?>

『はい』

<そんなことを口にするとは思いもよらなかったのでは>

『ヒズボラはイスラム教徒だけの為にイスラエルと戦っているのではなく、
レバノンの為に戦っているからです』

<キリスト教徒でさえも今やヒズボラを支持していると?>

(Hike Taporian)
『そうです。ヒズボラはレバノンの防衛にあたっています。
イスラム教徒だけでなくキリスト教徒も含めて全てを守ってくれています』

四日の攻撃はカトリック教徒の間で激しい怒りを惹き起こしました。
ベイルートの大司教はもちろんヒズボラのイデオロギーを支持してはいませんが、
レバノン国内において役割を果たしていることを認めています。
(Boulos Matar:Maronite Archbishop of Beirut)
『信徒達はレバノン領内でヒズボラが抵抗運動を行うことを受け入れています。
国外ではなく、国内でなら支持しているのです。
私達は団結しなくてはなりません。
戦争を止めれば、然るべき手順を踏むことになるでしょうが、
人が死んでいる現時点で最優先すべきは死から逃れることなんです』

イスラエルによる攻撃のおかげで
一部のキリスト教徒までもがヒズボラを支持していますが、
ヒズボラは少なくともレバノン国内では
驚くほどのイメージ転換を成し遂げています。

イスラエルはもちろん、この24年間何も変わっていない、
テロリストであることに変わりはないと主張するでしょう。
ヒズボラへと発展した抵抗運動は
1982年のイスラエルのレバノン侵攻に対抗して創設され、
悪名高い拉致作戦で知られるようになりました。
今ヒズボラはレバノンで最も成功を収めたシーア派の集団です。
国会議員13人と閣僚二人を送り込んでいますし、
紛争が続く中、日毎に支持を広げています。
ヒズボラは少しずつ権力基盤を築き、
大半が貧しいシーア派の支持を広げて成功を収めてきました。

(Amal Saad Ghorayed:Hezbollah expert)
『成功の一端は社会福祉のネットワークにあります。
揺りかごから墓場まで。
支持者はもちろん、レバノンで最も貧しいシーア派地域に住む
キリスト教徒やスンニ派にも給付手当てを提供しています。
でも何よりも2000年まで続いたイスラエルによるレバノン占領に抵抗したことが
シーア派からの絶大なる支持、そしてある程度国民全体の支持獲得に繋がったと
思います』


<イスラエルは兵士を拉致したあなた方が仕掛けた紛争だと主張しています。
元々計画されたものだったんですか>

(Hussain Haj Hassan:Hezbollah Deputy)
「それは嘘です。
イスラエルは私達のメンバーを捕えて捕虜にしているからです。
私達は捕虜を交換する為に捕えたんです。
私達の行動を攻撃の理由とみなすと言うのなら、
それでレバノン国民の大量殺戮、
そしてレバノンのインフラの大量破壊が
正当化されると言えると思いますか」


(NHK)「海外ネットワーク」伊藤良司記者
「イスラエル軍の攻撃が激しさを増すにつれ、
レバノンの国民の間ではかえってヒズボラに対する支持が広まっています。

(レバノン南部のスーパーマーケット地下駐車場の避難所を取材)
ここはヒズボラの支援で作られました。
車千台を収容できる駐車場に千人以上の人が家族で身を寄せています。
一つの家族あたりのスペースはほぼ車二台分。
攻撃が集中する夜だけ利用する人もいます。
ヒズボラのメンバーは地元のNGOの人達と協力して、
避難民の人達に食糧や服を配っています。
こうした救いの手を差し伸べる活動が、
ヒズボラに対する住民の支持を一段と強めています。
ヒズボラは避難した子供達が遊具で遊べるスペースまで作っていました。
ヒズボラの指導者ナスララ師の演説の映像も流され、
熱心に聞き入る住民の姿も見られました。
(げげっ、62インチくらいの超大型薄型テレビまである!)
(もちろん、ヒズボラのアル・マナールしか映さないのだろうが)

『ここでの生活はとても充実しています』
『ヒズボラは我々の誇りです。指示に従います』

ヒズボラは我々外国の報道陣に対しても、
イスラエル軍の空爆が収まった頃を見計らって、
ベイルート南部の空爆現場を案内する機会を何度か設けました。
イスラエルの攻撃は不当だと世界に訴える為のメディア戦術の一環です」

「祖国の再建」を誓うレバノン国民 破壊の中でも希望失わず
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2285407/detail

Lebanese vow to rebuild
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/7E745FBC-CB70-4748-8C7D-0B2F85BDF2A8.htm

戦争犯罪とレバノン
アリ、チョムスキー、ガレアノ、ジン、ローチ、バージャー、ロイの声明
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col7180.html
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/b7f377a85e40fa9c961245ffcad9a280

なぜ中東の炎は鎮火できないのか
フィナンシャル・タイムズ:デビッド・ガードナー
http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060803/ft-20060803-01.html

若きイスラエル兵@インディペンデント
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/8f974b00898d4f385f6e9461c02077ad

イスラエルは即時無条件停戦に応じよ!
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Palestine/AntiOccupation49.htm

ギリシャがイスラエルの映画祭から撤収:The Daily Star, Lebanon(2006/8/2)
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50355819.html

フィリピン人出稼ぎ者の脱出ルート寸断
北部の橋爆撃で退避できず なお3万人残留、政府は方法再検討
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200608060158240

「戦争ですべて失った」 レバノンのフィリピン人出稼ぎ者の悲哀
故郷では安否気遣う家族の電話殺到
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200608061524530

第三のアラブ占領国家か抵抗による民主主義か 岐路に立つレバノン
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200608060956540

「米国の即時停戦拒否は大きな誤り」ブレジンスキー元米大統領補佐官
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200608051758276

被害者はベドウィン族
http://blog.goo.ne.jp/asaikuniomi_palestine/e/212aa21efdce833fbefb6f35a9fd17b6

ベイルート、避難所になっている学校にて(Zeina blog, July 23)
http://nofrills.seesaa.net/article/21808864.html

「癌を摘出しているんだ」/「この臭いは9.11の後のニューヨークの臭い」
http://nofrills.seesaa.net/article/21809003.html

レバノン市民を救うための請願書(Save the Lebanese Civilians Petition)
http://nofrills.seesaa.net/article/21742778.html

アメリカ合衆国大統領へのオープンレター
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/

Ending the neoconservative nightmare
ネオコンの悪夢の終焉
http://www.haaretz.com/hasen/spages/746312.html
http://asyura2.com/0601/war83/msg/412.html


複眼で見る中東情勢
http://cigvi.exblog.jp/2999398/
イランの4日付シャルグ紙(いわゆる改革派系)のインタビューで、
アリ・アクバル・モフタシェミ氏(1980年代に駐ダマスカス大使を務める)は、
ヒズボラはZerzal-2ミサイル(射程およそ250km)を保有している、
兵器を使う勇気も持っていると述べた。
・7月29日よりイスラエルに拘束されていたパレスチナ自治政府のワスフィー・
カブハー囚人担当相は1日に釈放され、翌2日、APの電話インタビューに応えた。
7月29日に拘束された政治家では3人目の釈放。同囚人担当相は、軍事裁判所で
テロ組織への参加に関する厳しい尋問を受けたが、証拠不十分で釈放されたと
述べた(8/3バハレーン・トリビューン)
・サウジアラビアの東部州で1日遅く、2000人以上のシーア派の人々が、イスラ
エル軍のレバノンへの攻撃に対する抗議デモに参加した。今週で2回目のデモ。
シーア派のウェッブサイトに、ナスラッラー師の写真とヒズボラの旗を掲げた
デモの写真が掲載された。
・トルコの国会関係者によると、6月以来、イスラエルのパレスチナとレバノン
に対する攻撃に抗議して、25人の議員がイスラエルとの友好議員組織を離脱した
(8/2デイリー・スター)

http://cigvi.exblog.jp/3003690/
・レバノンのベテラン政治家達が、ワールド・ネット・デイリー(WND)に、パレ
スチナ人の複数の組織が最近、ヒズボラに重火器を渡している、兵器のいくつか
はヒズボラの所有物であるが、パレスチナ人の基地で保管されていたと語った。
また、レバノンのパレスチナ・キャンプはヒズボラの訓練のために使用されて
いた、何人かのヒズボラのメンバーは、今でもそうしたキャンプから指揮を
とっているとも語った(8/3イェデオト・アハロノト)
・4日付レバノンのアンナハル紙のインタビューで、ハマスのムハンマド・ナザ
ル氏(政治部門のメンバーでハマスのメディア・コンサルタント)は、ハマスの
高官達のエジプト訪問で、拘束者の交換交渉継続で合意し、イスラエルも原則
合意した、釈放されるパレスチナ人の人数と名前はまだ協議の必要がある、と
述べた。また、同氏は、拘束者の交換に関し、ヒズボラとの調整はない、ハマス
とヒズボラの指導者は、それぞれ状況に違いがあるとの点で合意していると
述べた。そして、レバノンの最重要事項はイスラエルの攻撃停止であり、現在、
拘束者の交換は協議できていないとも述べた(8/4イェデオト・アハロノト)

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  イスラエル軍がレバノン攻撃を開始したのは7月12日。その後戦闘が激化している [続きを読む]

受信: 2006.08.07 04:35

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