レバノン情勢 (8/10)
(アルジャジーラ)
「ガリラヤの村でヒズボラのロケット弾により
アラブ系イスラエル人二人が死亡しました。
ロケット弾はアラブ人の村三か所を含むイスラエル北部一帯に落下しました。
イスラエル領内のアラブ人が再び
レバノンの同胞に対する戦争の代償を支払わされています。
アッカの東にあるアラブ人の村デイルド・アサドにレバノンから発射された
ミサイルが着弾し、女性一人とその子供が死亡しました。
海辺の花嫁と呼ばれるハイファには、ユダヤ人と共に1948年の追放以降も
留まったアラブ人が住んでおり、人口17万人の内、三万人を占めています。
市内のアラブ人地区ワーディニスナースには古い家がひしめき合っています。
警報のサイレンが鳴ると、人々は慌てて安全な場所を探し求めます。
といってもそんな場所はありません。
人々はナスララ師の退避の呼びかけに非常に戸惑っている様子です。
『シェルターなんてアラブ人地区にはありません。古い地区ですから』
『子供と一緒に住んでいるんです。どこへ行けって言うんですか。
どこへ行っても危ないんですから』
レバノンに対する戦争による苦しみの原因はイスラエル政府にあるという
彼らの非難に対して、当局の責任者は、避難所は十分にあると述べています。
(ハイファ市長)
『公共の避難所は利用しない方が良いです。大変なことになりますから。
自宅の中に留まるよう勧めます。小さな銃弾は貫通したりはしません』
この街では住民の間の関係は比較的平穏ですが、
それでもイスラエル領内の常としてアラブ人住民は差別を受けています。
それでも多くの人々はこれまでの60年間と同様、
避難せずに留まろうとしています。
『ワーディニスナースはこんなに広いのに、避難所一つもありません。
いえ、逃げませんよ。家に残ります。家が壊れたらそれまでのことです』
とはいえ、市内からの住民の自発的な退去は、
ヒズボラ書記長の演説よりも前から、戦争開始の時から始まっています。
多くの家族が国境からもっと離れた街へ、
大半はヨルダン川西岸地区へ避難しました。
一方ではサイレンすら気に留めない人々もいます。
レバノンの同胞達の抵抗の権利を認める気持ちと
自分の生命への不安との狭間で微妙な位置に立たされているのです」
(BBC)
(JAN EGELAND:UN Humanitation Chief)
「特に十万人の人達が南部の戦闘地域に取り残されていることが非常に深刻です。
ここの人達は逃れることさえできない状況です。
例えば、病院に必要な電気をもたらす発電機の燃料すらない状態です。
この為怪我をした人達は手当てを受けられず、
また病気の人達は治療も受けられない為、死んでいく人達がいます。
国連安保理による緊急の即時停戦の決議案が必要です。
イスラエルは人道援助を可能にする為、もっと多くのことができる筈です。
特にレバノン南部の状況は極めて深刻です。
ここは決してコンゴのように20の軍閥が割拠するような
混乱した状況の場所ではありません」
(CHRISTOPHER STOKES:Nedecins sans Frontieres)
「我々は内の車が標的にならないよう確認して欲しいと言っています。
そのような言辞を取っている訳ですけれども、
レバノンの赤十字も援助活動を行っています。
リタニ側以南では病院、医療所に向かう全てが標的になっています。
車がミサイルなどを運んでいるという仮定によって爆撃を受けている訳です。
人道的なアクセスが全くありません。
供給路もない訳です。
Tyreではパン屋が一つしかありません。
そこももう小麦粉が底をついています。
あと二日分しか食料品がないという所もあります。
病院の患者、医師、看護婦も全く食事を得られない状況に陥りつつある訳です。
病院に人々が足留めになっています。
通常は国境なき医師団は、医療物資を届けることしかしていませんけれども、
最近は病院に対して食糧品も届けています。
そうした食料品も欠乏しています。
特にレバノン南部で状況が悪化しています。
移動が不可能だからです。
リタニ川以南に援助物資を届けようと思っても、
一台のトラックを北から、もう一台を南から
その連携をとるという形をとっています。
まず当局の信任が得られません。
市民が走行中に標的になるというのは非常に危険な状況です。
市民が病院にも行けないというのが現状です。
道路を移動している人達は今は殆どいません。
皆隠れているんです。
村が標的になるのを恐れているからです。
しかしここで言えるのは、
私達がどこに行っても市民はいるということです。
孤立した村でも、六百世帯がある村に昨日も行きましたが、
どこに行っても市民がいる、これが現状です」
ティールの街はすっかり寂れています。
しかし街の郊外にあるパレスチナ難民キャンプの近くでは様相は一変します。
街の店は開き、商店には物があふれています。
直ぐ近くで爆発はあるものの、人々は街に留まっています。
レバノン南部で唯一通常の営みが続いているのは、
ティールの街郊外にあるパレスチナ難民キャンプです。
この為シーア派の多くの人達もここに逃れて来ています。
『この一帯では一番安全な地域です』
1982年のイスラエル軍の侵攻時にはここは最初の標的となりました。
(ABU KHALED:Hamas Official)
『イスラエルとの戦いでは私達はレバノンの友人です』
(EMILE LAHOUD:Lebanese President)
「レバノン国民は団結しています。
互に助け合っています。
イスラエルはレバノン内部で亀裂が生じることを期待しているんです。
しかしレバノンの国民の大半は政治を良く理解しています。
ヒズボラがいなければイスラエルはベイルートに侵攻していたでしょう」
CeaseFireNow! (7分9秒の VIDEO 映像です)
http://www.youtube.com/watch?v=-hxWFjXP-MI
「家族が瓦礫の下に埋まっている、そんな人に、何と言えばよいのか?」
「人道援助ルートというイスラエルの約束はいんちきだ」
8/9ロバート・フィスク
http://heartland.geocities.jp/readingfisk06/textbn/090806.html
内戦跡の荒廃ビルにも避難民 爆撃1カ月のベイルート
http://www.asahi.com/special/MiddleEast/TKY200608110292.html
イスラエル軍の攻撃は戦争犯罪 ヒューマン・ライツ・ウオッチが報告書
ヒズボラにも攻撃中止を要求
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200608110600515
アモス・オズ氏らイスラエルの作家
レバノン戦争の拡大に反対し停戦l交渉を呼びかけ
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/08/post_f6c7.html
イスラエル平和団体が停戦要求デモ テルアビブ
http://www.asahi.com/international/update/0811/017.html
イスラエル空軍 「パイロットの良心」ここに
民間人空爆を回避 「誤爆」して人命を救う
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/08/post_4add.html
Israeli pilots 'deliberately miss' targets
http://observer.guardian.co.uk/world/story/0,,1838437,00.html
Fmr. Israeli Air Force Captain Reports Israeli Pilots Deliberately
Missing Targets Over Concerns of Civilian Casualties
http://www.democracynow.org/article.pl?sid=06/08/09/1422204
イスラエル戦車部隊 撃退さる 「メトゥラ丘陵」制圧ならず
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/08/post_abf1.html
驚きたじろぐイスラエル軍
ヒズボラ、地下40mに空調バンカー(壕) 新式の対戦車ミサイルも装備
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/08/post_7a67.html
ヒズボラ、強力な対戦車ミサイルで抵抗=イスラエル軍に大きな誤算
http://news.www.infoseek.co.jp/afp/world/story/20060811afpAFP008150/
イスラエル戦車13台が1日で爆破される(The Sun Online)
http://asyura2.com/0601/war83/msg/623.html
戦闘勝利に悲観的な見方 イスラエル世論調査
http://www.asahi.com/international/update/0811/020.html
カイロ市民、47%が「イスラエルから大使召還を」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20060810AT2M0801A09082006.html
レバノンでの人道援助状況
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200608110427.htm
「レバノンへの緊急募金のお願い」パレスチナの子供の里親運動より
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200608112132.htm
Diary: Getting aid to Lebanon
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4783047.stm
シオンとの架け橋
http://blog.mag2.com/m/log/0000019965/107578856.html
8月9日
*イスラエル北端にあり、ロケット砲の猛攻を受けるキリヤテ・シェモナから
500人の住民がバスで集団避難。
2万2千人の同市住民の内、現在残っているのは約6千人
*先週に行われた世論調査で、圧倒的多数のユダヤ人がレバノンでの戦争を支持
していることが判明。レバノンに対する爆撃は正当だとの意見は、左翼政党の
メレツ支持者の間でも53%
*戦争にもかかわらず、この夏には北米と英国から3千人の移民が到着の予定。
欧米からの移民は近年になって増加
*ミサイル攻撃を受けている北部の学校では、秋の新学期から授業を
どう再開するかが難問。教育省は対応を検討
*ヒズボラの攻撃で500の火災が発生し、多くの森林が失われている
とユダヤ民族基金が警告。この団体は植林活動も行っている
8月10日
*自治政府のハニエ首相が、自治政府の解散を検討すべきだと各勢力に提言。
多数の閣僚や議員がイスラエルに拘束される中、統治を続けることは困難
*国防軍が自爆テロに向かっていたパレスチナ人女性2人をナブラス近くの
検問所で拘束。1人は運転手だったと見られている
*国際赤十字のケレンバーガー議長がレバノンとイスラエルを訪問。
戦争の影響を受ける地域はひどい状態だが、テルアビブやベイルートでは
海水浴客が浜にあふれ、ビジネス街も普段通りだと語った
8月11日
*昨日も約170発のロケット砲が北部に着弾。アラブ系市民の母と息子が死亡
し、もう1人の息子も重傷
*国連安保理の決議案で米仏など関係国が合意。国防軍が段階的にレバノン南部
から撤退し、国際部隊の支援を受けたレバノン正規軍が展開する。
ヒズボラの武装解除は停戦条件から外された
*テルアビブで600人が集まり、反戦デモ。アモス・オズ氏ら左翼系の文化人も
参加し、戦争中止を呼びかけた
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