Interview with Shimon Peres (NHK)
<何故分離政策は必要なのですか>
「私達の計画は三つの異なる側面から成り立っています。
まず第一にパレスチナに直接交渉しようと呼び掛けます。
恒久的な国境線を画定する為にです。
我々と将来のパレスチナ国家との間の国境線を画定する為です。
その為に態勢を整える必要があるのなら、その時間は少し与えましょう。
しかしもしこれが失敗したら、あるいはこの交渉さえ始まらなければ、
私達は国際社会に、我々はパレスチナ人との直接交渉を試みたけれども、
うまくいかなかったと説明します。
そこで世界に恒久的な国境線を決めてもらおうと。
そしてこれが国際社会がこうあるべきだと考えている国境線だと、
これを受け入れてもらいたいと呼び掛ける訳です。
これでも成功しなければ、我々は西岸の大部分から一方的な撤退をすると、
これが大体の計画です」
<パレスチナとの交渉を模索する間、分離壁の建設を中止しますか>
「壁ではありません。バリアなんですけれども、自爆テロリストがいる限り、
我々の身を守らなければいけないんです。
こうした自爆テロリストが侵入して来るのを防ぐ為には、
やはり壁、あるいはバリアが必要なんです。
したがってこの壁は安全の為の壁であり、政治の壁ではありません」
<ハマスと交渉する積もりはありますか。
ハマスは、もしイスラエルが1967年以前の境界線に戻るなら、
無期限の停戦をすると態度を変えましたが>
「彼らは、これが我々の見解だ、まず受け入れてもらいたいと、
おたくの出方次第で交渉を決めると言うのですが、
これでは交渉に臨む態度ではありません。
ハマスは本当は交渉などしたくないと言い、
これまでの合意や協定も認めないと言っている。
テロを止めるという約束もしないと。
ハマスの外務大臣が昨日言ってました。
主な目的はイスラエルを破壊することだと。
それまで武装闘争は止めないと言っているんですが、
これでは交渉のベースにもなりません。
相手に命令などできないということをまず理解する必要があります。
交渉というのは、最後通告の交換ではないんです。
交渉というのは、共通の場を見つけようという試みです。
妥協や譲歩を代償としてです」
<アッバス議長はハマスが和平プロセスを受け入れるよう説得すると
言っています。アッバス議長にチャンスを与えますか>
「ええ。アッバス議長がハマスに提示している条件には賛同しています。
我々はアッバス氏とは接触を絶っていません」
<カディマの計画を今後実施していくことは可能だと思いますか>
「ええ。ただパレスチナ側の相手として、交渉の用意がある人、
それも相手にちゃんと敬意を払って交渉できる人、
交渉の結果を尊重できる人がいればです。
ハマスがこれまでの合意や協定は認めないと言っているのであれば、
新たに合意を成立させる価値はどこにありますか。
イスラエルの生存も認めないと言うのであれば、何の為に交渉するんでしょう。
武装闘争をやりながら、交渉するなんてことはできませんよ」
<カディマの動きによって、パレスチナとの問題が
解決できなくなってしまうように思えます>
「我々はガザから一方的に撤退しました。
パレスチナはそれを事実として受け入れたんですね。
これはイスラエルとしては、入植者に対決して、
入植地を解体する用意があるということを示す為でした。
ガザでの入植地を解体したんです。
彼らが交渉さえすれば、同じようなことを西岸でもやる用意があるんです」
<しかし、撤退するのは一部で、>
「イスラエルはエジプトに全ての土地や水、石油を返しました。
ヨルダンにも土地や水を返しました。
パレスチナ人も交渉さえすれば、同じようなことを手にすることができるんです
パレスチナ人の最大の誤りは、交渉の道ではなく、
テロの道を選んでいることです。
彼らがネルソン・マンデラ氏のように振る舞えば、
もう随分前に国家が成立していたでしょう」
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