Interview with Khaled Meshaal(HAMAS):NHK
(六日のカイロでの会議終了直後、NHKとの単独インタビューです)
<昨日、ハマスが首相ポストを確保するという話が出ましたが、
それは本当ですか>
「その問題は協議中です。
組閣の人選についてはアッバス議長からハマスに
組閣要請が出されてから取り組むことになります」
<幹部会議では政権構想について何か新しいことは決まりましたか>
「ハマスはガザ地区や西岸、外国や刑務所など
様々な場所に指導部があります。
今後の方針を統一する為に今回各指導部が集まって協議を行いました。
我々は挙国一致内閣を作ることで合意しました。
新しい政府は金銭的にもクリーンで、
行政手腕に優れた誠実な人材を多く登用します。
パレスチナの人々に尽くすのです。
これがハマスの決定事項の一つです。
我々幹部の間ではアラブの各国と
今後どのように付き合っていくのかも話し合っています。
周辺地域の協力を得て、パレスチナ人の権利を
どう回復させるのか方策を探っているのです」
<ハマスはパレスチナとイスラエルのこれまでの合意を受け入れるとしました。
これを認めますか>
「ハマスはこれまでの合意について検討し、評価し直します。
パレスチナ人の権利を守り、
パレスチナの国家建設に役立つのかという観点で見直します。
イスラエルはアラファト前議長やアッバス議長との合意を尊重していません。
例えばイスラエルは西岸を再び占領しました。
パレスチナを経済的にも締め付けています。
分離壁を築き、入植地を広げています。
私達の土地を奪い、パレスチナを包囲し、抑圧し続けています。
イスラエルは合意に基き果たすべき義務を全く履行していないのです。
1967年当時に定められたパレスチナの境界線があります。
まずイスラエルがこれを認めるよう国際社会が働きかけるべきです。
その後で、ハマスに対してもこの条件を受け入れるよう促せばいいのです」
<ハマスの理念を変えないまま政治参加した場合、
イスラエルとの本当の戦争になりませんか>
「それの何がおかしいのですか。
パレスチナの人々も自治政府も占領下に置かれています。
これで独立していると言えるでしょうか。
自由がありますか。
イスラエルは西岸の全ての街に存在するのです。
欧米国連、日本を含めた国際社会がイスラエルに対して
パレスチナの領土から撤退し、占領や敵対行為を止めなければならないと
強く要求すれば、パレスチナも抵抗運動を止める可能性があります。
パレスチナが敵対行為に悩まされているというのに、
抵抗を止めなさい、抵抗運動と政治活動の両立には矛盾があると
言われても聞き入れることはできません。
占領下にあれば、政治と抵抗運動を同時に行うことは自然なことです。
抵抗せずに政治だけを行う方が不自然です。
もし我々が抵抗運動を止め、改革や国造りに取り組んだとしても
イスラエルがそうした改革の成果を保障することはないでしょう」
インタビューした渡辺常唱記者は
「和平路線を掲げるアッバス議長との協力関係の必要性を強調するのは
ハマスの基本方針と矛盾しているようにも聞こえますが、
パレスチナの内部対立は避けたいと真剣に考えているからとみられます。
イスラエルが1967年の境界線から全面撤退すれば
ハマスの基本方針を見直す可能性も示唆しました。
これが実現しますとファタハの路線そのものです。
強硬な原則は掲げつつも、内部の調和を保ち、
国際社会との深刻な対立を避ける為に、どうしたら良いのか、
慎重に行動せざるをえないと強く認識していると感じます。
問題は強硬な原則を公式に取り下げない限り、
イスラエル、国際社会と前向きな関係を築くことは難しいという現実です。
頼みの綱はアラブ、イスラム諸国です。
今後、アラブ、イスラム諸国との外交活動を活発化させていく方針です」
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント