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2006.01.28

パレスチナ自治評議会選挙:各国の報道(仏独スペ英米中)

・仏F2
「今日はハマスもファタハも武器を置いて投票を行っていました。
HALA LADAAさんは近代的な女性で大学にも行っていますが、
ハマスに投票しました。
『自由な国、私の国、パレスチナの旅券、身分証明書がもらえるのであれば、
喜んで化粧を落として、ジーンズを履くのを止めます』

・独ZDF
「獄中のバルグーティ氏はインタビューに応じ、電話をすることもできます。
立候補者の内、5%が収監されています。

「銃を振り回すタリバンの戦士がパレスチナ評議会入りする訳ではないのです。
ハマスのリストに名前を連ねていたのは、医師、学者、教師、建築家などです」
(Karin Storch in Ramallah)

「最も重要なのは、平和的手段により和平を目指す用意がある政権であれば、
我々は協力するつもりであるということです」
(Benita Ferrero-Waldner:EU外交委員)

EUはパレスチナに対し、年間二億五千万ユーロと
これまで最大の援助を行ってきました。

・スペインTVE
「アッバス議長は、イスラム教指導者達が繰り返し要請しているように、
ハマスがファタハと共に連立政権を樹立することを期待しているようです。
勝った側も負けた側もハマスの圧勝でイスラエルとの和平交渉の後ろ盾である
欧米が感じる疑問を何とか和らげようとしている模様です」

・アルジャジーラ
   <比例区><選挙区>
・ハマス :30 46
・ファタハ:27 16
・その他 :10? 0

・英BBC
「ハマスは早朝から通りに出て、支持者を集めては投票所に車で運んでいました
『ハマスのシンボルがある所にきちんとマークして下さい。
間違ったらもう一枚投票用紙をもらるように。
そうしないと一票になりませんよ』

<パレスチナ人は民主主義にもう生きていると言えるでしょうか>
「もちろん、それは言えません。
民主主義はプロセスです。平和もプロセスです。
まだ民主主義も平和もありません。
でもその第一歩かもしれません」
(VERONIQUE DE KEYSER:EU Chief Observer)

「パレスチナ各地ではハマスがいつも通り、福祉活動を行っていました。
ガザのリハビリ用診療所、ハマスが大勝利を収めたのは、
イスラエル人を殺害したからではなく、パレスチナ人を助けてきたからです」

「私達は罰を受けたんです。ある程度罰を受ける覚悟はできていましたが、
これほど大きな罰を受けるとは思っていませんでした」
(SAEB EREKAT:Fatah:Chief Palestinian Negotiator)
防弾仕立てのリムジンに乗り、立ち去って行きました。

・米ABC
『パレスチナ人の権利の多くがこれまで繰り返し侵されてきました。
ですから今日は非常に嬉しい歴史的な一日です』

<ハマスが現実路線を採るという予想もありますが>
「私もそう期待します。皆がそう期待しています。
ハマスの為ではなく、パレスチナの人々の為です」
(カーター元大統領)

昨年アメリカはパレスチナに対して五億ドル、
自治政府に七千万ドルの援助を行いました。

・米PBS
「投票者達は目的意識と誇りを持っていましたが、
夢見心地というのではありませんでした。
ある配管工の男性は、
『ようやく本当の選択肢ができた。
ようやく本当の基盤と見解の違いを持った二つの政党ができて、
そのことを誇りに思っている。
ただしどんな政府ができても本当の国家でない以上、力は限られている』
主権国家という言葉は使いませんでしたが、自分達は依然占領下にあると。

信じられない程スムーズな選挙でした。

「ハマスはこの一年半、停戦を守ってきたことです。
ハマスの自爆テロはありませんでした。
ハマスは常に社会的な政策を掲げる現実主義だったんです。
その現実主義故にチャンスが訪れる可能性もあります」
(ハーシュ・グッドマン)

「有権者の意思は世界に尊重されなければならない。
ハマスはイスラエルを国家として相手にする勇気を持たなければならない。
パレスチナ人が国家を持つ権利があるように、
イスラエル人も国家として存在する権利を認めなければならない。
パレスチナの人々にはパレスチナのニーズを認知してもらい、
世界中の人もこれを認めるべきだ。
人々は政治家にばかり注目しすぎている。
中東の未来は政治家の手にあるのではなく、父や母や子供達、
毎日生活の為に働く人々の手にある。
我々はパレスチナとイスラエルの人々をそうした視点から見るべきだ」
(カルザイ大統領:アフガニスタン)


<選挙後の報道>
・英BBC
「自治政府は公務員賃金の支払いだけでも
一か月に一億ドルが必要
あと三、四日で給料日がやって来る。
その資金が止まってしまうかどうかが現在問題になっている。
自治政府高官は資金援助を受けられなければ、
自治政府は崩壊するとはっきり述べています。
打開策が模索されています。
アッバス議長を通じて資金を渡すという方策が
検討されるかもしれません。
一方ハマスは、アラブ諸国から資金が提供されたので
心配無用と支持者に呼びかけています。
ただしこれまでにもアラブからの資金提供の約束は
空手形に終わったことがあります。
27日、米EU露国連がパレスチナ問題を協議する
資金提供の問題が大きな議題になるでしょう」


・スペインTVE
「改革派であるファタハの青年部を支持する数千人の人々が
議会前に集結し、政府の車数台を燃やしました。
イスラエルの刑務所内のバルグーティ氏を支持する人々は
数か月前から党内の改革を求めていましたが、幹部らは着手していません。
党内の若手世代は今回の敗北の責任は守旧派世代にあるとし、
その象徴である議会や議長府を襲撃しています。
『アッバス議長はイスラエルのスパイだ。アメリカに買収されている』と
この活動家は叫びます。
選挙前からみられた改革派による党内の分裂の兆しは
全党を挙げての大っぴらな革命になりつつあります。

ハマスの支持者はエルサレムで選挙活動ができず、
金曜礼拝で神殿の丘で抗議をしましたが、
その同じ場所で今日、ハマスの勝利を祝うのを
イスラエル警察は阻止しませんでした。
イスラエル市民も選挙のショックから立ち直り、
ハマスが政権をとったとしても
パレスチナとの交渉はするべきだと半数の人が考えています。
しかし政治のリーダーらに妥協はないまま選挙戦が始まっています」


・アルジャジーラ
「イスラエルの刑務所に拘留されているファタハのメンバー達は
声明を発表してファタハ中央委員会に辞任を要求し、
選挙での敗北の責任者を裁くべきだと述べました」


・米ABC
「135000人の公務員の来週分の給料を支払う資金がありません。
昨年はアメリカからの資金援助だけでもその額は五億ドルに上りました」

・中国:香港フェニックス
「ガザのハマスのザハル氏は引き続きイスラエルの攻撃に備えると述べました。
西岸のハマスの幹部は、
ハマスは現段階ではイスラエルと政治的な交渉を行う用意はないとしています。
パレスチナの治安部隊はハマスの指揮は受けないとしています。
アッバス議長は治安組織を新政権の管理下には置かず、
自らが直接指揮する意向を示しています。
ハマス側は、治安組織の機能を改めて定める必要があるとしています」


・アルジャジーラ
「オルメルト首相代行は、イスラエル政府はパレスチナ暫定自治政府に
支払われることになっていた資金を凍結すると決定しました。
資金がテロリストに渡ることを懸念しての措置だということです。
ハマスの組織する新政権との交渉を行う条件として
・テロ行為を放棄すること
・イスラエルの存在権を承認すること
・既に結ばれている協定や合意を尊重すること
 を提示しました。

ファタハは無所属で立候補した78人を除名しました。

パレスチナ中央選挙管理委員会は自治評議会選挙の最終結果を発表しました。
・ハマス:74議席
・ファタハ:45議席
・PFLP:3議席
・代理者:2議席
・独立パレスチナ:2議席
・第三の道:2議席
・無所属:4議席


・仏F2
「イスラエルでの最近の世論調査では
半分の人が対話の用意があるとしています。
残りはハマスとの対話を完全に拒否しています。
入植者の大半がそうです。

BEIT EL とは神の家という意味です。
この入植地には五千人ほど住んでいます。
要塞化された別世界です。
ラマラからは目と鼻の先。
武器も間近に迫っています。
DAVIDさんは18年来、鉄柵に囲まれて住んでいます。
『イスラエル国家の存在を多少なれど認め、
交渉を始めたとしても彼らの目標は変わらないでしょう』
(DAVID SHAPIRA:COLON DE BAEIT EL)

この入植地ではハマス勝利以来、パトロールを強化しています。
インティファーダの間に入植者六人が死亡しています。

『パレスチナでも良識のある今の暫定政府との交渉だったら
合意に至ったかもしれません』

YOELさんは妻と娘をテロで亡くしました。
しかしハマスの台頭を恐れてはいません。
『ハマスは今までも全てを非公式に牛耳ってきました。
権力をとった今でも、イスラエルをまだ破壊したいと
考えてるどうかみてみましょう。
やってみるがいい。私達の軍が彼らを潰します』
(YOEL TSOUR:COLON DE BAEIT EL)

彼は入植地を失うことを恐れています。


・米ABC
「共和党ヘーゲル上院議員
「米には対外援助がテロ組織に流れることを禁止する法律があります。
私は米にとって創造的、戦略的、外交的なチャンスだと考えています。
ただしハマスはテロと暴力を放棄し、イスラエルの生存権を認め、
民兵組織の武装解除をしなければなりません。
それができなければ世界中がハマスに背を向けることになるでしょう。
こうした一連の力学によってハマスが治安や安定、信頼を確保して
パレスチナの人々の為になることをすることを期待しています。
ファタハは汚職にまみれ、これができなかった訳です」

<パレスチナ当局が大混乱に陥るか、
イランが出て来て、代わりに援助しようと>

「その可能性はあります。
今後数週間、ハマスがどちらに向かうのかを見極め、
その方向に影響を及ぼすことができるかどうかをみる必要があります。
パレスチナの人々は雇用、希望、指導層への信頼感を必要としています。
これまでそれがなかったんです」


「中東地域でここ一、二年の間に行われた選挙全ての結果、
不安定さが増す一方なんです。
中産階級のいない民主主義は無理なんです。
現実は、新たに選出されたハマスの評議員達は
イスラエルを通ってラマラの評議会に行かなければならないんです。
その為にはイスラエルと交渉する必要があります」
(JOE KLEIN:TIME Magazine columnist)

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