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2005.07.13

「聖地の〝壁〟閣議決定の波紋」NHKBS

 7月10日イスラエルは、エルサレムの壁を9月1日までに完成させることを
閣議決定した。
 東エルサレムのパレスチナ人約5万5千人が、壁の外側に取り残されることに
なる。

 高橋和夫氏は、エルサレムの壁建設の狙いは、
「エルサレムという都市を、ユダヤ人が多数派の都市にして、その状況を固定し
 たい。
 エルサレムの帰属問題が問題になった時には、もうユダヤ人が多数派だという
 既成事実を作りたいということ」
 
 一般のイスラエル市民は、占領地には全く行かないので壁がどこを走っている
かを知らない。壁ができてテロリストがやってこなくなれば安心と理解している
自爆テロに脅えるイスラエル市民。
イスラエル国内向けには、「安全の為の壁」と押し出している。
従って、多くのイスラエル国民は壁を歓迎し、事実自爆テロも減っている。

「シャロン首相は、イスラエル国民の恐怖心を逆手に取って、それをテコにして
 自分の強硬な政策を推し進めている」
「そういう意味では、シャロン首相を一番助けているのは自爆テロかもしれない」

 シャロン首相が今、考えていることは、
1.77歳という自己の年齢からして、性急にことを進める
2.ブッシュ政権の内に、ことをできるだけ進める
3.人口増加率の推移
 ・イスラエル2.7人
 ・パレスチナ4.6人
今の内に、壁を作って、その中でユダヤ人多数派のイスラエルを安定化させたい。

 ガザ撤退から先が見えない。

<私の感想>
 国際司法裁判所で違法だと判断され、直ちに建設を中止するように勧告されて
いる壁。
 にもかかわらず、強行する意図について、高橋氏から示唆を得た。
イスラエル側の思惑というものを少しは理解できたようにも思う。

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