「和解に向けた市民交流」NHKBS
(2005.4.15(金)放映)
エルサレムで去年11月に始まった指圧教室。
日本の文化を伝える活動を続けているNGOが
目の不自由な人を対象に教えています。
講師を務めるイスラエル人のエラン・マフネスさんは、
国内の専門学校で指圧の技術を身に付けました。
目の不自由な人が仕事の機会を広げられるよう、指圧の指導を引き受けました。
教室の生徒は、イスラエル人とパレスチナ人とが半々です。
「触れるということは本当にすごいことです。
お互いの間に繋がりが生まれるんですから」(パレスチナ人生徒)
「指圧は人にやさしい日本の文化です。これまで話す機会もなかった双方の
架け橋になるんだとわかりました」(エラン・マフネスさん)
マフネスさんは、テルアビブの自宅で指圧の治療院を営んでいます。
これまでパレスチナ人との日常的な付き合いはありませんでした。
指圧教室でパレスチナの人達と触れ合うなかで、交流をより深めたいと
考えるようになりました。
「政治の世界だけでなく私のような市民が何かをすることも重要なんです」
指圧教室で出会ったパレスチナ人の生徒の招きで、エルサレム旧市街の
パレスチナ人地区を訪ねました。
暴力の応酬が続いていた一年前なら考えられなかったことだといいます。
アラビア語を本格的に学ぼうと思い立ちました。
指圧教室を続けていく上で、直接会話ができればパレスチナの人達と
もっと理解し合えるだろうと考えたのです。
「パレスチナ人でも通える指圧教室を今後も続けていきたいです。
その為にも何とか直接話ができるようになりたいのです」
マフネスさんは、将来的には、パレスチナ暫定自治区でパレスチナ人を
対象にした指圧教室を開きたいという希望を持つようにもなっています。
最近、イスラエルとパレスチナが共同で行った世論調査によると、
今後十年、もしくは、近い将来に双方が和解する可能性について悲観的に捉えて
いる人が、イスラエル人の半数以上、パレスチナ人は四分の三に至っています。
イスラエル人口の20%を占めるイスラエル国籍を持つアラブ系イスラエル人。
ほとんどが別々の学校に通っています。
双方の高校生20人が共同で演劇を上演しました。
演劇「ロードブロック」(路上の障害物)
共同作業を進めるなかで、同世代間で分かり合える部分も多いと
感じるようになったといいます。
演劇はそれぞれの街で披露されました。評判は上々だったそうです。
このグループは今後も一年間活動を続けるそうです。
イスラエル系アラブ人は、将来パレスチナ国家ができても、
イスラエル国民として暮らしていく希望を持っている人がほとんどです。
イスラエル国内の課題として残ることは間違いない問題です。
息の長い取り組みが必要だとされています。
<私の感想>
イスラエルの内と外での和解と共存の取り組みが必要だと思います。
政治的歩み寄りを、市民レベルで下支えすることができれば素晴らしいことだと
思います。
イスラエルの大学での研究発表によると、イスラエル人に最も近いDNAは、
パレスチナ人だということです。まあそうなんでしょうね。
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