「水が危ない」(「地球大異変」)
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ヒョウガエルの精巣に卵子がありました。雌雄同体です。
米国では、トウモロコシ生産に大量の農薬が使用されています。
トウモロコシ畑の除草剤アトラジンが原因と考えられています。
アトラジンの生産会社から、環境への影響を調べるよう依頼された
大学の研究者が解明しました。
精巣に卵子を含むカエルはアトラジンの水の中で発見されました。
実験室でアトラジンが入っているものと、そうでないものと比較しました。
はっきりした結果が出ました。雌雄同体は全てアトラジン入りの方だけでした。
アトラジンが男性ホルモンのテストステロンを女性ホルモンのエストロゲンに
変えることが判明しました。
水1リットル当たり0.1マイクログラム、つまり1ミリグラムの一万分の一
という僅かなアトラジンが溶け込んでいるだけでカエルに異常が表れます。
しかし、アトラジン濃度が高い水で育った方が、低いものより異常が発生し
難かったのです。
量が少ないと体の防衛機能をすり抜けてしまうと考えられました。
薬品の量が多いほど影響が大きいとする従来の考え方に疑問を投げ掛けました。
会社側は別のやり方で違った結果を出してきました。
環境保護庁は、研究を続行するよう勧めました。
化学物質の個々の特性は分かっていても、それが複合したもの=カクテルに
ついては、ほとんど分かっていません。
セントローレンス川の白い鯨ベルーガは、ガンの発生率が最も高い。
体内からは沢山の化学物質が検出されています。
免疫細胞が化学物質のカクテルを浴びると、増殖できません。
毒性のない科学物質でも組み合わせによれば危険であることが分かりました。
高濃度の塩素を含む水道水を飲んだ女性に流産が多いことを発見。
水道水の塩素濃度が引き下げられました。
ニューヨーク、ミネアポリス、ロサンゼルス、ミズーリの四つの都市に住む
男性の精液を比較しました。元気な精子の数を数えました。
大都市より環境が良いと思われる田舎町ミズーリの方が極端に少なかったのです
。
工場の数も少なく、大気汚染も少ない田舎町で唯一他より多い物は、農薬です。
各種入り混じった農薬が体内に取り込まれた男性に元気な精子の数の減少が
著しいことが分かりました。単一の農薬より遥かに危険性が高かったのです。
農薬が体内に入った経路は水道水です。
ジョージア州の湖、水銀汚染
工場から排出される水銀を、まず食物連鎖の一番下にいるバクテリアが毒性の
強いメチル水銀に変えます。次にプランクトンに取り込まれ、体内に蓄積されて
いきます。次の捕食者はより高い濃度の水銀を食べることになるのです。
こうして食物連鎖の一番上に辿り着いた頃、水銀は水中の濃度の一千万倍にも
なっています。
植物にバクテリアの遺伝子を組み込むことに成功。
葉の中に水銀を溜め込む植物と、水銀を危険の少ない気体にして発散する植物が
生まれました。
オーストラリアのサトウキビ畑、農薬が海に流れ込みます。
グレートバリアリーフ。オニヒトデの大発生。
農薬に含まれる窒素が原因ではないかと考えられています。
窒素は珊瑚礁で藻を大量発生させます。藻はオニヒトデの幼生の餌となります。
これが大発生のメカニズムではないかと考えられています。
窒素濃度の特に高い海域を割り出しました。そこでオニヒトデが大発生していま
した。
サトウキビの一部を抜いて、木を植えました。
大洋を泳ぐ魚に発信機を取り付け、行動を監視した所、汚染物質が流れ込んで
くる川、岸に近い場所にも長く滞在していることが分かりました。
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