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2006.12.12

イラク情勢

<決定的な転換点>:アスカリモスク爆破事件

それ以前は、内務省を牛耳るSCIRIによる暗殺部隊が公然と話題になり、
ネグロポンテの『エルサルバドル・オプション』ということも
公然と話題になっていました。

しかし聖廟爆破事件以降は、サドル派のマハディ軍が
『宗派対立』と言われているものの最前線であると報道されました。

聖廟爆破事件後に、
「黒い服を着た連中がスンニ派を襲撃している」と。
サドル派が襲撃しているという根拠は、唯一「黒い服」だったのです。

そして、何故かSCIRIのバドル旅団の名は挙がりません。
確かに、「情報操作」は行われていますね。

サドル派の末端のグループは確かに襲撃を行っていたと思います。
サドル派のイマームが「報復」を訴えていましたからね。
しかしサドル派だけが襲撃していた訳でもないと思います。
SCIRIのバドル旅団や、チャラビの私兵も存在します。
更には、クルドのペシュメルガや、イスラエルのモサド、
シリアの諜報機関、、、
プレーヤーは、たくさんいたのです。

<第二の転換点>:サドル師とイスラム聖職者協会との決別
聖廟爆破事件以降も、イスラム聖職者協会とサドル師は、
合同礼拝を全国各地で行うなど、
『宗派間抗争』と言われているものを止めようと必死で努力しています。

その努力が続いている限りで、
スンニ派武装勢力も、サイトでマハディ軍との交戦を
公式には認めなかったのだろうと、今では捉え返しています。

イラク暗殺部隊の実態 米国の暗躍
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200612120054112
というサラーフ・アル・ムフタール氏の評論は、
とてもよく説明されています。
ただし、バース党の公式見解でしょうから、
バース党の立場からする説明としてよく理解できます。

<アメリカの転換点>:政治エリート内部での撤退の決断
私はアメリカの政治エリート内部では、撤退で意思統一されたと思っています。
段階的撤退の、その具体的やり方では、まだまだ対立・抗争が当然ありますが、
「撤退」ということでは、意思統一されたと思います。


<現状>:第二の飛躍
2日間の戦闘で傀儡軍とマフディ軍の襲撃を住民が撃退
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/06_Resistance_Report_20061208.html#madain
「傀儡政府のウルフ旅団と親イランのマフディ軍による連合部隊と、
レジスタンス戦士および地元防衛隊のあいだに激しい戦闘が勃発した」
・ウルフ旅団とマハディ軍の連合軍

・アンサール・アル・スンナとイラク・イスラム軍

「イラク・レジスタンス」を自称する勢力側からの記述ですが、
どの勢力とどの勢力が戦ったのかは、まあ事実でしょう。
かなり大規模な戦闘ですね。
戦争と言ってもいいかもしれません。

私の教条主義的な規定からいうと、
占領軍と戦う行為はレジスタンスであり、
異なる意見の同国人と戦うことを、私はレジスタンスとは、考えません。
その行為をレジストとは考えません。
同国人とはいっても、占領軍とともに戦う勢力は傀儡と思いますが、
とりあえず、ここでは、米軍は戦闘に参加していません。
マハディ軍がマハディ軍である限り、米軍と共同行動をとるとも思えません。

う~ん、困った、、、

これは私には、レジストとは思えないんですよね。

ウルフ旅団というのは、
私にこれまでの認識からいうと、SCIRIのバドル旅団という認識です。
この認識自体が間違っているのか、
ここでいうウルフ旅団というのが、SCIRIとは違う別のバドル旅団なのか、
イラクの正規の陸軍という意味なのか、

まあイラク軍の中のウルフ旅団ということのようですが、
SCIRIと無関係とも思えないし、、、

だいたいSCIRIのバドル旅団とマハディ軍は、
各地でもう何年も戦闘を繰り返してきたのに、、、

う~ん、分からない。

分からない中で言えることは、

①スンニ武装勢力の中心勢力たる
イラク・イスラム軍とアンサール・アル・スンナが、
ここまではっきりとマハディ軍との激闘を述べていること。

②しかし、政治のレベルでは、
サドル師とムトラク氏が、共同行動をとろうとしていること。

①は軍事のレベル
②は政治のレベル

もちろん、スンニ派武装勢力と、スンニ派政治家達は、
イコールではありません。
とりあえず、別のものですが、
区別性と同一性を持っています。
ある点では対立し、ある点では協調するという。

矛盾しているようなことも同時に進行します。

軍事レベルで対立しているからこそ、
政治家達が協調しようとしているともいえるのかもしれません。


①米英のメディアでは、
「サドル師の指導力の低下」
「シーア派のザルカウィ」
という情報が流れました。
これも情報操作かもしれないとは思っていましたが、

そうでもないと思うようになりました。

②日刊ベリタの記事で、アラブメディアの記事として
サドル派の三分解とかと報じられました。

③現地イラク人のブログのいくつもの報告
 現地人との交流があった日本のNGOの報告

これら全てが、マハディ軍、マハディ軍と言っており、

④「イラク・レジスタンス情報」自身もマハディ軍と明記するように
なったのですから、戦っている本人達がマハディ軍だと言うのですから、
もはや否定のしようがありません。

そもそも四百万とも五百万とも言われるサドルシティで、
たった一つの潮流しかないと考える方が不自然です。
サドルシティ内にだって、スンニ派も住んでいたし、
サドル派以外の政治党派の事務所、モスクもあります。
サドル派内部で、いくつもの潮流があると考える方が自然です。
パレスチナにだっていくつもの政治潮流があるのですから。
そもそもサドル・ムーブメントというくらいだから、
政治組織のように、ある政治綱領に賛同して、
イデオロギー的同一性の下に結集している訳でもなく、
父親の代からの人脈や、
貧困層への福利政策に恩恵を与っているとか、
失業している若者とか、
種々の不満分子とか、
いくつもの潮流の総体がサドル運動だと思います。
従って、それが、ある一つの事態に対して、
統一した対応をせず、
各自が勝手に行動しても、特に不思議でもなんでもありません。

現在のイラクでは、一体誰と誰が戦っているのか。

もちろん、その地域によって異なります。

①アンバール州などのスンニ派地域では、
 米軍とスンニ派を主体とする武装勢力

②バグダッド周辺では、
・スンニ派武装勢力と米軍
・スンニ派武装勢力とシーア派民兵組織

③南部では、
・英軍と武装勢力(主にサドル派)
・SCIRIとマハディ軍の交戦
・スンニ派武装勢力とシーア派民兵組織

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