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2006.09.25

「発展するクルド人自治区」NHK

(2006.9.24)NHK海外ネットワーク
澤畑剛記者の取材

約四百万人が暮らすクルド人自治区。
紀元前に遡る独自の言葉と文化。

百万人都市アルビル
建設ラッシュが続いています。
『まるでミサイルのようなスピードで仕事が増えているんですよ』
夜間外出禁止令が続くバクダッドと異なり、夜でも買い物客が絶えません。
アルビルには大型のショッピングセンターが
建設中のものも含めると、五軒もあります。
こうした店舗はバクダッドには一軒もありません。
豊かで安全な生活を求め、バクダッドから移り住む人が増えています。
『バグダッドはまるで地獄だよ。危なくて今頃は寝ている時間だね』
アルビルの景勝地アリーベッグ渓谷
雪解け水が滝となって流れ落ちて行きます。
(イラク人観光客)
『北部の話は色々聞いていましたが、実際に見ると全然違います。本当に綺麗』
『今までのストレスとか悩みとか全部忘れることができました』
毎週末イラク各地から一万人以上の観光客が詰め掛けます。
イラクで数少ない癒しの場所になっています。

去年開港したアルビル国際空港には英独などの直行便が相次いで就航。
帰還したクルド人は10万人。

(帰還クルド人じゃポックさん)
『私達クルド人にとって本当に大きなチャンスです。
私達も儲かるし、地域の人皆が豊かになれる』
ジャポックさんの会社が分譲するマンションの価格は一軒15万ドル。
クルド人の平均年収の20倍以上ですが、売れ行きは好調です。
ジャポックさんの月収は平均60万円。
『誰もが自分の家を立派にしたいと思うように、
私達はこのクルドの故郷を立派にしたいのです』

今、クルド人自治区でイラクの国旗を見ることはありません。
「独立はもはや夢物語ではない」
クルドの人々の期待は高まっています。
「将来話し合いで独立が決まれば、こんな幸せなことはありません」

ペシュメルガは今や12万人に達しています。

THE OTHER IRAQ:もう一つのイラク
ECONOMIC OPPORTUNITIES IN KURDISTAN
クルド自治政府の開発公社が作ったPRビデオ
イラク政府を通さずに、直接自治政府が外国からの投資を呼び掛けます。
経済面でも独自路線に踏み出しているのです。
『ビジネスチャンスは無限。行動を起こすのは今』
今月アルビルで開かれたイラク復興見本市には27か国八百社が出展しました。
クルド自治政府は外国からの投資を受け入れる法制度も整備しました。

自治政府は石油資源の囲い込みも着々と進めています。
外国の資本と技術を使い、自治区内の八か所で新たな油田を開発。
トルコ国境に近いザホでは、イラク政府の了解を得ずに、
ノルウェー企業と開発契約を締結し、去年の秋、掘削作業を開始しました。
(バルザニ首相)
『自由に外国企業と契約を取り交わせる。
そのことを世界に知らしめた歴史的な日です』

澤畑剛記者
「スンニ派は、資源の独占を警戒し反発。
シーア派は、クルド自治区の経済的成功に刺激されて、
分離傾向を強めています。
南部に自治区を設置する法案提出の構え

クルドの発展と権益獲得の動きはイラクの分裂に拍車をかける新たな要因

キルクーク問題でクルド自治政府が強硬な姿勢を示すたびに、
アメリカは担当者を派遣しては、自制を促している。
周辺諸国をも巻き込むイラクのクルド自治区の動きは、
石油利権を誰が押さえるのかという問題と相まって
今後の中東情勢の新たな火薬庫になる様相を見せています」

(クルド自治議会議長)
『勿論我々の希望は独立だが、今の自治制度も決して悪くない。
イラクには豊富な資源がある。その資源はクルドの発展に役立つと思う』


<参照>
クルド自治区:もう一つのイラク:Kurdistan - The Other Iraq
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/iraq/2007/09/kurdistan_the_o_b70c.html

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