内戦寸前
イラクは今、重要な岐路に立たされているように感じます。
「これまでとは、何かが変わってしまった」
このコメントが耳に残って離れません。
そうなのかもしれません。
いや、まだ駄目だとは言えない、
そうあって欲しいのですが、
大丈夫だと断言できるだけの根拠を私は持っていません。
サマラでシーア派の聖廟であるアスカーリ・モスクが
爆破されて以降の24時間以内に既にバグダッドだけでも130人以上が殺害され、
168のスンニ派のモスクが襲撃されています。
もはや既に内戦状態だと言う人もいます。
内戦直前だと言う人もいます。
私には内戦寸前だと感じられます。
シスターニ師はペルシャ人ですが、もう何十年もイラクで生活しています。
だから当然アラビア語も話せるのですが、
現地の人には、やはり言葉の微妙な違いは識別できます。
ペルシャ語なまりのアラビア語と分かるのだそうです。
それが、第一の理由がどうかは、分かりませんが、
シスターニ師は、人前で説教することは、ほとんどないそうです。
ホメイニ師とは対極にある政治的静謐主義だからなのかもしれません。
とにかく、人前で説教すら余り行わないシスターニ師が、
異例のテレビ出演までして、スンニ派モスクを襲わないように呼びかけました。
それ以降は、沈静化に向かっているというテレビ報道を観ました。
ただ、もちろん楽観視できません。
デモに参加している人の多くが武装している風景には
末恐ろしいものを感じました。
私は、これほど多くの人々が武器を手に持って
デモを行っている風景は見たことがありませんでした。
Baghdad Burning
2006年2月23日木曜日
http://www.riverbendblog.blogspot.com/
both Shia and Sunni religious figures speak out against the explosions
and emphasise that this is what is wanted by the enemies of Iraq-
this is what they would like to achieve- divide and conquer.
Extreme Shia are blaming extreme Sunnis and Iraq seems to be falling
apart at the seams under foreign occupiers and local fanatics.
シーア派とスンニ派の宗教的な人達双方が爆破を声高に非難し、
そしてこれがイラクの敵が達成したいものである、つまり分割して統治する。
極端なシーア派は極端なスンニ派を非難し、
イラクは外国の占拠者と地元の狂信者の下の
継ぎ目でばらばらに落ちているように思われます。
Informed Comment:Juan Cole
Sistani threatens to turn to Militia
Sadr Calls for Calm
http://www.juancole.com/2006/02/sistani-threatens-to-turn-to-militia.html
Muqtada al-Sadr had been in Lebanon. He cut short his trip and went over
land to Iraq. He told the Syrian news agency that he condemns this
"despicable crime" and called the Iraqi people to "unity and solidarity
so as to deny any opportunity to those who wish to ignite public turmoil."
サドル師はレバノンにいたんですね。
「卑劣な犯罪」を非難し、
「公共の混乱に火をつけることを望む人たちにどんな機会でも拒否するよう
統一と団結」を呼びかけたということのようですね。
昨日、「バグダッドのサドル派が『スンニ派への報復』を呼びかけた」という
ニュースを聞いて、あれっ?と不思議に思いました。
サドル師は一貫して、シーア派とスンニ派の仲介を果たしてきたのに、
何故、「スンニ派への報復」を呼びかけるのか不可解に思いました。
サドル師がレバノンにいたからなのですね。
<良い兆候>
・シスターニ師が異例のテレビ出演までしてシーア派に冷静に呼びかけ、
その後、沈静化に向かっていると聞いている。
・レバノンにいたサドル師も帰国し、沈静化を訴えている。
<悪い兆候>
・タラバーニ大統領が呼びかけた全党派の会合を
スンニ派最大政党(イラク・イスラム党等のイラク合意戦線?)が
スンニ派の人々やモスクを守らなかったことに抗議し、
参加をボイコットした。
・現在は、夜間外出禁止令が継続中
・軍・警察は休暇等を一切キャンセルし、
スンニ派のモスク等の治安維持にあたっている。
(スンニ派は、遅すぎると不満を表明している)
もちろん、誰が行ったのかは分かりません。
様々な推測が飛び交っています。
色々な可能性が推測可能です。
現在は、クルド、シーア派、スンニ派の、いわば挙国一致内閣形成に
向かっている情勢だと私は認識していました。
今回の事件は、この流れにとっては、マイナスだと思われます。
宗派間対立が激化すれば、この流れは停滞するのではないか。
そういう意味では、
・イラクの統一を阻みたい
・直接的には、挙国一致内閣成立を阻みたい
私には、そういう狙いが想定されます。
現段階のこのような情勢下で、
上記の狙いを持つ勢力は誰か?
そう考えただけでは、いくつもの勢力が思い浮かびますが、
これといった決定的な根拠にはなりません。
また、強い根拠があるからといって、
それが実効行為者だと断定することもできません。
イラク人の多くは、例によって、
「アメリカやイスラエルの陰謀」という声も挙がっています。
しかし、私は、アメリカという可能性はかなり低いと思います。
アメリカは、現段階的には、スンニ派の政治参加を追及しています。
今回の行為はそれに逆行しているのだからです。
・イラクが混乱して、
・宗派対立が激化して、
・治安が回復せず、
・米軍が釘付けになっている、
そういう状態を望んでいるのは、
やはり、順当には、アルカイダ系ということになります。
特にシーア派を敵視する勢力、ワッハーブ派の過激派という推測には
根拠があります。
アルジャジーラの報道(2006.2.24)
「イラクの四つの武装勢力は共同声明を発表し、
サマラのシーア派の二つの聖なる廟のドームを爆破したのは、
イラク内務省に属する特殊部隊だと訴えました。
声明を出したのは、
・1920年革命部隊
・イラク・イスラム軍
・ムジャヒディン軍
・イスラム抵抗戦線の四組織で
自分達抵抗勢力は、この爆破には無関係だと述べ、
爆破によって利益を得るイラク政府こそがこれを行ったのだと主張しています。
また、サマラの事件の後に、多くのモスクを穢し、
占拠したテロリスト達を非難し、これらの者達にすぐにモスクを明け渡し、
拉致したスンニ派の人々全員を解放するよう求めました。
イラク・イスラム聖職者協会スポークスマンのクベイシ師は、
イラクで起きている暴力事件の責任は
シーア派の宗教指導部にあると非難しました。
サマラの爆破事件の後に、一部のシーア派指導者らが
抗議デモを行うよう呼びかけていた為です。
クベイシ師はデモ集団の中に紛れ込んだ悪意ある者達が
モスクを燃やし、礼拝導師達を殺害したのだと述べました。
スンニ派会派イラク合意戦線の幹部のハーシミー氏は、
バグダッドで記者会見を開き、シーア派の統一イラク同盟との
組閣協議への参加を一時停止すると発表しました。
『組閣に関する呼びかけに応じるのを控えると決定しました。
そうした呼びかけに応じる前に、まず緊急に対応が必要ないくつかの要求を
盛り込んだ共同文書をタラバニ大統領に提出することにしました。
現在行われている次期内閣の組閣に向けた統一イラク同盟との交渉を
一時停止することにしました』
バグダッド北方での米兵七人の死亡の内、
ハウェイジャ近くでの四人の死亡
この攻撃については、1920年革命部隊が行ったとする声明を出しています。
ヒズボラのナスララ党首は
『イラク国民が占領軍の撤退を求められずにいるのは、何が原因なのでしょう。
それは、治安の喪失と宗派対立、内部紛争です。
ですからこの情況で一番利益を得るのは占領軍なのです。
二番目に利益を得るのは、対立する者を不信仰者だとみなす
過激なイスラム主義者達です。
三番目に利益を得るのは、シオニスト、イスラエルです。
そしてイラク北部やその他の都市にいるシオニスト達なのです』
<サドル派とスンニ派との武力衝突>
NPO法人PEACE ON代表相澤恭行氏のブログ
聖廟爆破後
http://peaceonyatch.way-nifty.com/peace_on_iraq/2006/02/post_9634.html
「サドル派民兵マハディ軍を中心に24時間以内に
168のスンナ派モスクが破壊され、130人のスンナ派信徒が殺害されたという。
スンナ派住人の多くは皆自警団を組織して
モスクなどの防衛に当たっているらしい。
特にスンナ派にとって重要なアダミア地区にあるアブハニーファモスクに何か
あったら、スンナ派とシーア派の内戦が起こるだろうと友人は心配している。
イラクイスラム法学者協会などスンナ派有力者達は、政府とサドル派の責任を
追及していて、サドル師がバスラなどの都市でスンナ派モスクの防衛にマハディ
軍を送ったと言っても、サドル師やシスターニ師がスンナ派モスクを破壊する
ことはハラーム(禁忌)だという宗教令を出したところで、スンナ派はもはや
信じられない。
シスターニは政府がシーア、スンナ両派のモスクを保護することが出来なければ
それぞれイスラムの自警団として独自に守ると宣言。
住宅省大臣が破壊された二つの聖廟を訪れようとしたところ、
住民による投石にあい断念。
現在シーア、スンナ両派共、政府と米軍に大きな怒りを感じ、
誰もが武装しそれぞれのモスクを守っているのだという」
日経
イラクのスンニ派政党、連立協議に条件付きで復帰検討
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt57/20060225AS2M2501M25022006.html
「協議復帰の条件として、シーア派民兵らによるスンニ派モスク(礼拝所)破壊
などに対する統一イラク同盟の公式謝罪、破損したモスクの修復などをあげた」
日刊ベリタ
聖廟爆破犯のイラン人を撮影したテレビ局員にイラク内相が暗殺指令
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200602252256446
「イラク・レジスタンス・レポート」
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/06_Resistance_Report_20060223.html
バグダッド西部でレジスタンスとバドル旅団の間に激戦勃発
ドーラ地区でレジスタンス戦士がバドル旅団と戦闘
レジスタンスが親米バドル旅団の司令部を砲撃
米軍は街頭から消えバドル旅団とマフディ軍にまかせる
マフディ軍の民兵がスンニ派モスクを攻撃
スンニ派の宗教団体は民兵たちの宗派至上主義による襲撃作戦において
米占領軍が共犯であると非難した--イスラム・メモが報じた。
スンニ派住民はモスクを守るために小型兵器さえも携帯することを許されないのに、
民兵たちは米軍にとがめられることもなくバグダッド中を重武装して徘徊しているのだ。
「イラク・レジスタンス・レポート」を注意深く読むと、
バドル旅団との交戦は記載されていますが、
サドル派のマハディ軍との交戦は、記載されていません。
モスクでサドル派のマハディ軍とスンニ派武装勢力の銃撃戦は報告されています
では、サドル派のマハディ軍と交戦したスンニ派武装勢力とは、
「イラク・レジスタンス」ではなく、アルカイダ系なのでしょうか?
周辺のスンニ派住民ということでしょうか。
私には分かりません。
そうかもしれないし、そうではないかもしれません。
もしかしたら、「イラク・レジスタンス」とサドル派のマハディ軍が交戦した
のだけれども、政治的配慮から余り公然と記載はしなかったのかもしれません。
2004年4月のファルージャにサドル派は援軍を送りました。
ファルージャの長老達は「でかした、若造」と
サドル師を称賛したと聞いています。
イラク全土でファルージャを救えという運動が巻き起こりました。
食糧や毛布、医薬品を満載したトラックが
イラク全土からファルージャへ向かいました。
このほぼイラク全土のファルージャを救えという声に圧されて
米軍は停戦せざるを得なかったのだと私は理解しています。
2004年11月、ファルージャ第二次攻撃
今度はうってかわって
ファルージャを救えという声が
イラク全土から聞こえるという訳ではありませんでした。
サドル派は少数が援軍に参加したのかもしれませんが
サドル派がサドル派として組織的に動員したものでは
ないと私は理解しています。
2004年4月のファルージャと
2004年11月のファルージャ
これへのイラク国民多数の対応の違い
これが理解できれば多くのことが理解できるのではないかと思っています。
もちろん米軍による情報統制(ジャーナリストの締め出し)
真っ先にファルージャの病院を制圧し、被害の実態を隠そうとしたという
悪辣な制限はありました。
しかしファルージャで起こっているであろうことは
4月のことを知っているイラク人にとって想像に難くはない筈です。
にも関わらずファルージャを救えという声がイラク全土に
巻き起こらなかったのは何故なのか
私にはいまだに分かりませんが、いくつかの推測はしています。
今回の事件でサドル派とスンニ派地元武装勢力との衝突もあったのは
ほぼ確かなことに衝撃を受けています。
私にとってサドル派とスンニ派地元武装勢力とは
手を携えて占領軍と戦う勢力だといままでは認識していたのだからです。
(あるがままの彼らを全肯定する訳ではないのですが)
まあ事態は沈静化に向かっているとは思うのですが
今回の件が残す傷痕は決して小さくはないと思えるからです。
サドル師自身は冷静を訴えかけているし
シスターニ師は異例のテレビ出演までして冷静を訴えかけました。
従来はそういう宗教指導者の呼びかけで民衆は
爆発はしてはこなかったと思っています。
しかし今回は沈静化への呼びかけにも関わらず
一定の民衆の爆発が起こりました
白昼、二百人以上もの人々が殺害されたのです。
それはまだ完全には終わっていません。
過激派やテロリストだけが暗躍しているのでしょうか?
私にはそうは思えません。
おそらくシーア派の一般民衆の鬱屈してきたものが
一定爆発したという要素も大きいと推測しています。
少なくともそういう背景なしには私には理解できません。
従来シーア派民衆への無差別テロにより
数え切れないほど多くのシーア派市民がテロの被害に遭ってきました。
それはアルカイダ系が声明を出しているものもあれば
一体誰が行ったか分からないものも多く含まれています。
周辺諸国の諜報機関が行ってものもあるのかもしれません。
真実は永遠に暴かれないような気もします。
しかしシーア派市民の多くが
スンニ派武装勢力内のアルカイダ系によるものだと
(それが正しいかどうかは別として)
そういう認識がないとは言えないと思っています。
つまりあるんです。あったんです。
その従来鬱積してきたものが今回少し爆発したのではないかと思っています。
そしてそれは今回限りのものとは言えないとも思っています。
だからこそ事態は深刻なんだと思っています。
そういうシーア派一般市民の疑心暗鬼を解く為にも
スンニ派地元武装勢力は
アルカイダ系と戦う姿勢を内外に示し
実際1920年革命旅団やアンバル革命軍や地元部族民兵組織は
アルカイダ系を既に数百人逮捕・拘束しています。
だからこそ私はこういう方向性を肯定的にみているのです。
私の言う「無差別テロを否定する反占領闘争を支持します」
というのはそういう意味内容です。
ムハンマド風刺画問題で40か国ものムスリム国で大規模なデモが
生じているのはもちろんその風刺画に怒ったということが直接性ですが
(背後で色々な政治的利用、煽り立てもあるのですが)
民衆自身が立ち上がった背景には
これまでの鬱積が、風刺画をきっかけにして
爆発したのではないかと私は推測しています。
対テロ戦争以降の、イスラム教徒への攻撃、扱い等により
(西欧での二級市民としての歴史的扱いという要素も)
彼らに鬱積したもの、被害者意識とも言えるとは思うのですが
その鬱積したものの正当性自体はともかく
鬱積したものがきっかけを得て爆発したという側面もあると
私は思っています。
<表の政治工作と裏の政治工作>
宗教抗争続くイラク、沈静化に向け指導者らが協議
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200602260002.html
「国民融和」へ各派と協議・宗派対立でイラク首相
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt57/20060226SSXKA005926022006.html
Iraq leaders unite to avert civil war
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/63193544-8251-4C61-87FF-B4E882F334FC.htm
Al-Hayat [Ar.] says that Bush called the major Iraqi politicians
on Sunday to encourage them to go back to working on the government
of national unity.
He appears to have convinced the Sunni Arab leaders to come back to
the bargaining table.
Sunni and Shi'ite clerics reach deal to ease tension
http://www.jamaica-gleaner.com/gleaner/20060226/int/int2.html
Younger Clerics Showing Power in Iraq's Unrest
http://www.nytimes.com/2006/02/26/international/middleeast/26clerics.html?hp&ex=1141016400&en=3f531d42c4c34602&ei=5094&partner=homepage
スンニ派政党は、スンニ派モスクやスンニ派市民への襲撃に抗議して、
二日前、新政権の組閣交渉をボイコットしていたのですが、
昨日、全宗派、民族の全体会合には出席し、
スンニ派、シーア派、クルドの主要代表が会合する映像を
テレビで生中継しました。
三派が仲良く並んで、テレビに生出演して、
その姿を国民に見せつけたのですから、
現在の混乱を沈静化させようとする最大限の努力だと思います。
その前日からブッシュ大統領がイラクの主要政党の要人に電話で会談し、
会合を呼びかけ、ハリルザード米大使が、この全党派の会合にも
同席していました。
私の目には、ブッシュ大統領とハリルザード米大使が根回しして、
会合が実現したと映ります。
つい前日には怒りのボイコットをしたスンニ派政党も参加したのですから、
前日とは何か違う要素が加わった筈です。
それがブッシュ大統領とハリルザード米大使の根回しだったと解釈しています。
もちろん、イラク各派の政治指導者達も現在の混乱情況を
沈静化させたいという想いでは、一致していたからだとも思います。
もちろん、ブッシュ大統領を賛美したい訳ではなく、
少なくとも、ブッシュ政権が、
<表側の合法的な政治工作>としては、イラク各派を調停し、
イラクの混乱を収めたいという姿勢を示したということです。
それは、<裏側の非合法な各種政治的工作や謀略等>を
否定するものではありません。
両者は別次元のものですから、
つまり、表側で、いくらブッシュ政権が、平和的工作を行ったのだとしても、
裏側で何をやっているか、いないのか、という証明にはならない、
全く別次元のことということです。
<表側の合法的な戦略>と<裏側の非合法な戦略>とは、
その主体においては統一されている訳です。
裏側で何をやっているかは、普通は見えないものだと思っています。
「イラク “内戦勃発”は防げるか?」 (NHK)
NHKのバグダッドの別府正一郎記者は、
「シーア派の不満はまるで充満していたガスに
火がつけられたかのようになりました。
これまではシスターニ師が自制を求める呼びかけもあって
シーア派はこれまで報復に乗り出すようなことはありませんでした。
今回は抗議行動を容認しました。
シーア派の中にはこれはシスターニ師が
報復を容認したものだと受け止める人もいました。
バグダッドのサドルシティ
暫定政府の警察もマハディ軍の許可なしに立ち入ることができず、
マハディ軍は武装してパトロール活動を行うなど、絶大な影響力を持っています
スンニ派のモスクにマハディ軍のメンバーが大勢乗りつけ、
火を放ったことが目撃されています。
SCIRIのバドル軍の幹部の一人が内相のジャブル氏です。
ジャブル内相が就任した去年4月以降、内務省の治安機関に
バドル軍のメンバーが多数登用されています。
この頃から治安機関がスンニ派の住民に
不当に危害を加えたとされる事件が相次ぐようになりました。
バグダッドでは今月に入り、銃殺された遺体が
路上に放置されるという不気味な事件が目立って増えています。
その多くが治安機関に連行された人達ではないかと指摘されています。
住民への暗殺を繰り返し、死の部隊として恐れられる組織が
治安機関内に存在することが公になり、
スンニ派住民の不信と反発を決定的なものにしています。
市民の間からは米軍が撤退すれば
内戦になってしまうのではないかと懸念する声が出ています。
米軍の駐留は武装勢力を招き、それがテロを生み、治安を悪化させている。
かといって今ここで退かれても困るという矛盾した声となって表れています。
治安機関こそが宗派対立を激しくさせているんです。
憲法の規定では今月25日までに初めての議会が開催される筈でした。
開催の目途すら立たず、政権協議は忘れ去られてしまったかのようです。
人々は国の先行きが見えない中で、宗派対立が悪化し、
最早後戻りできない段階にまでなってしまったのではないかと
懸念する声が聞こえるようになっています」
放送大学教授の高橋和夫氏は、
「地元グループとザルカウィ・グループの協力というのは言われたんですけれど
ザルカウィ・グループのやり方が余りに残虐であるということで、
一時期、地元、特にスンニ派グループとザルカウィ・グループの
離反ということが噂されていたんですね。
ザルカウィ・グループが狙っていることは、
シーア派を挑発して、シーア派の報復を招く、
それによってイラクを内戦状態に陥れる、大混乱に陥れて、
統治不可能にするということ。
シーア派の指導者の暗殺、シーア派の儀式へのテロ等をやってきた。
今回は、ザルカウィ・グループにとっては思う壺という所。
シーア派の怒りを引き起こすような、シーア派に対する挑発行動を
考えていると思う。
米軍の戦略はスンニ派地域とシーア派地域では若干違いがありまして、
スンニ派地域では、スンニ派の部族を抱き込もうと、
『お前の部族からは何百人、何千人、兵士、警察官を優先的に採用するから、
米軍に協力しなさい』ということで、武装組織を孤立化させようとしている。
シーア派地域では、急いで治安当局を作りたいということで、
ある意味で民兵組織をそのまま取り入れて、逆に軍隊などを
民兵組織に乗っ取られたという雰囲気である訳です。
といってでは時間を掛けて信頼できる軍・警察を一から作っていくかというと、
そうすると時間が掛かり過ぎて、出口戦略に間に合わない。
アメリカが直面しているのは、選択ではなくて、ジレンマという所ですね。
スンニ派、シーア派、クルド人の指導者というのは、
イラクが内戦の方に流れていくのか、あるいは安定化の方に流れていくのか、
別れ道に立っていると理解していると思う。
内戦の方になってしまえば、こういうことになるという地獄絵を
過去四日ないし五日の間、見せられた訳です。
テロの応酬、モスクの破壊、
ですから、ここで彼らが今踏み止まって、
譲る所は譲って、妥協する所は妥協して、挙国一致内閣を作って、
踏み止まって、イラクを安定化させなければ、地獄に戻ってしまう、
そういう認識を持ったと思う。
ここで本当に彼らが妥協できるのか、結束できるのか、
鼎の軽重を問われているのがイラクの現状だと思う。
最早彼らの見識の期待するしかないと私は思います」
(2006.2.28)
・<アルジャジーラ>
「ティクリートのモスクでは27日、
スンニ派とシーア派の市民数百人が合同で礼拝を行いました。
これは宗教関係者の呼びかけに応じたものです。
礼拝にはシーア派のサドル派やスンニ派のイラク・イスラム法学者協会、
イラク・イスラム党の幹部らも参加しました」
・<バグダードバーニング>2006年2月27日月曜日:一触即発の日々・・・
http://www.geocities.jp/riverbendblog/index.html
「発砲と爆発の音はたいてい夜明けに始まる。
その音は夜遅くまで絶えることがない。
近所の人たちは、男たちが地域の警備をするかどうか議論を続けている。
地域の警備は戦争中や戦争直後の混乱期にもやったことだ。
今回やっかいなのは、モスクや家やお互いを攻撃しているフードをかぶった
黒装束の男達と同じ位、イラク治安部隊を恐れなくてはならないという点だ。
ここ数日、スンニ派とシーア派の人々がすばらしい連帯を見せているので、
これが内戦だなんて思えない。
私は法学者や狂信的な人々や政治家ではなく、
ごく普通の人達のことをいっている。
うちのあたりはスンニ派とシーア派が混じり合って住んでいるが、スンニ派の
人もシーア派の人も一様にモスクと聖廟が攻撃されたことに激怒している。
電話が通じなくなっているので、私達はすこぶる原始的な通信手段を取り決めた
この地域のどこかの家が襲撃されたら宙に向かって3回空砲を撃って知らせるの
だ。もし空砲を撃つという手段がとれなければ、そのときはその家の誰かが
屋上にあがって事態をまわりに知らせなくてはならない。
モスクも苦境に陥った際の合図を用意している。
それは、攻撃を受けた場合には、祈りを呼びかける役目の人が「アッラーフ
アクバル[全能のアッラーほど偉大な方はいない]」と3回叫ぶというものだ。
それを聞いた地域の人々が、モスクや巻き込まれた人を守るためにかけつける
というわけだ。
昨日、スンニ派とシーア派の聖職者がモスクで一緒に祈りをささげるようすが
テレビに流れた。力づけられる光景ではあったが、私は怒りを抑えることが
できなかった。なぜこの人たちは、自派の私兵集団に対して一言、撤退しろと
言わないのか。モスクやフセイン支持の人たちが住む地域への攻撃をやめろと
言わないのか。人々を恐怖に陥れるなといわないのか。テレビに映し出された
光景はあまりに嘘っぽく、空っぽに見えた。
私はひたすら読み、聞いている。内戦の可能性について。可能性、だ。けれども
私はこういうのが内戦っていうものかもしれないと思ったりもしている。
それが現実のものになったのだろうか?」
・<ABC>
「イラク軍の戦車が人々を威嚇するかのように姿を見せています。
米軍もパトロールを強化しています。
ハリルザード米大使は、
『危機はプラスの影響をもたらす可能性がある』
27日夜には人々の間に大きな亀裂があることを示す兆候も見られました。
シーア派の人々がコミニティセンターで夜を過ごしたのです。
スンニ派居住地にある自宅から逃げてきた人達がたくさんいたのです。
今、敵対的な居住区に住むシーア派、スンニ派両方の人々が
家から逃げ出しているということです。
表面的には静かに見えても、実際には人々の間で緊張が高まっています」
・<PBS>
Real Audio:http://www.pbs.org/newshour/bb/middle_east/iraq/index.html
Ed Wong of The New York Times reports on the effort to restore normalcy in Baghdad.
「バグダッドでは27日には基本的には市民が通常の生活を取り戻しました。
車の往来も多く、バグダッドでよく見られる渋滞もあり、
目抜き通りはいつも通り10分、20分、30分少しも車が動かない状態となりました
男性達がカフェで一休みしてお茶を飲んでいたり、
子供達が通りで遊んでいたり、人々は市場に再び足を運んだり、
食糧や料理用の燃料を購入したり、
いつも通りの暮らしが戻ってきた感じです。
政府の業務も再開しました。
今も多くの商店はシャッターを下ろし、多くの市民は家の中でじっとしていて、
せいぜい隣の家を訪ねたり、地元のモスクを訪れる程度で、
それ以上遠出はしていません。
シーア派とスンニ派の急進的なグループに属する聖職者が
モスクで一緒に祈っている様子がテレビで放映されました。
政治指導者達が会合し、テレビを通して諮問委員会の発足を国民に伝えました。
それは、シーア派、スンニ派、クルド系が参加して、
事件の真相を調べる為の委員会の発足です。
多くの暴力的な行為は一部の人間によるものに過ぎないということです」
<同床異夢の指導者達が結束したということは、
それだけ事態を深刻に受け止めたということですか>
「その通りです。
多くの指導者は、もし事態の収拾がつかなければ、
国としてもたくさんのものを失うと気付きました。
事件当初は、多くのイラク人警官が傍らで見ていただけでした。
彼らは自分達では何もできないと感じていたのか、
もしくは暴力を止めさせる為に争いの中で自らそこに加わることは
したくないと思ったのか、
そうした警官の姿には失望したとの声もたくさん聞きました。
たしかに暴力を阻止しようとした警官もいましたが、
全体としては、暴徒によるモスク攻撃は成功し、
それを阻止する警官はいなかったということです。
そこでスンニ派の政治指導者からの批判が噴出しました。
それは、警察がシーア派の武装勢力に支配されているからだ。
次期政府においては、警察を管轄するのは、アメリカがバックアップしてきた
シーア派であってはならないという声も出ています。
新政府樹立に向けて、一連の暴力行為を始めた
武装勢力の代表者との話し合いも現在行われています。
全面的な内戦勃発の恐れがイラクを覆う中で、
指導者達は新しい政府作りから手を引くことが賢い選択かどうか
慎重に検討しているんです。
警察官が暴力を止めようとせず、傍観している現状にスンニ派は苛立っていて、
それはシーア派の武装勢力が警察を支配しているからだとみています。
次期政府では、自分達はそれを変えることができると感じているんです。
ですから彼らは、政府、特に治安部隊を実際に改革する方法としては、
政治的な解決策を模索しているんです」
・ムクタダ・サドル師:「スンニ派への襲撃には参加してない」
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/06_Resistance_Report_20060225.html
「ムクタダ・サドル師は、「愚かな者に利用されないために」、
サドル派の制服となっている黒色の衣服を着ないよう支持者に命令した
アルジャジーラが報じた。
これより前、サドル師は彼の部隊はスンニ派モスクやスンニ派教徒への襲撃を
行っていないと発表し、マフディ軍の民兵がそのような襲撃に加わっていた
という報告はサドル運動と結びつきのある他の勢力が黒い服を着て、スンニ派
社会とサドル運動の間に楔を打とうとしていることを示唆していると述べた。
サドル派マフディ軍にスンニ派モスクを防衛するよう命令をくだした」
三日のイラク (BBC&TVE)
・BBC
「政府の採れる殺戮を止める唯一の方策は車を止めること、
そこで三日、昼間も外出禁止令が出ました。
効果はあったのですが、バグダッドの外では、
東部でシーア派19人が殺害されているのが発見されました。
その遺体はここ市の安置所に運ばれてきました。
この建物はイラクの情況の悪化を計る指標ともなっています。
この数日遺体で埋まっています。
遺体安置所の責任者は大量の死亡者が出ているのは、
殺人部隊があるせいだと言っていますが、
本人に殺人予告があり、姿を隠しました。
後任も同じ考えです。
『ほとんどは射殺されています。絞殺された者もいます。
殺人件数は増えています』
三日午後、外出禁止令が出ている時間帯に遺体安置所に行きました。
建物だけでは収容し切れずに、冷蔵トラックが使われていました。
実際、遺体の正確な数よりも、これだけの殺害が起こり、
そして混乱しているということが、人々の心に及ぼす影響が問題です」
・スペインTVE
「兵士数千人がバグダッド市内に展開し、
外出禁止令に違反した市民に威嚇射撃を行う光景も見られました」
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