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2005.10.15

「新憲法でイラクの国内対立は解消しない」酒井啓子

 「新憲法でイラクの国内対立は解消しない」酒井啓子(エコノミスト10/4)

「イスラム主義勢力が宗教色の強い憲法案を提示したことに対して、世俗的
 法体系の護持を主張する左派や女性団体などが、各地で反対デモを組織した」

「なんとか取りまとめに成功したのは、このような問題の
 根幹部分を憲法では明示化せず、妥協的な両論併記に逃れたからである」

「クルドは、キルクーク油田の石油収入、石油政策における
 地方政府の権限増大を主張」
「一時は地方政府の取り分を収入の三割と要求し、
 かつその取り分比率を憲法に明記することまで議論された」

「八月初め、SCIRI議長は、南部地方自治政府(シュメール連邦)樹立構想を
 打ち上げた」

「スンニ派の憲法起草委員は、草案への最後の妥協として、
 『連邦制はクルドだけに対して認める』との腹案を持っていたと報じられる」

「シスターニ師は、一年半前から連邦制案に反対の意向を示してきた」

 <サドル派の動向>:「政敵のSCIRIの着実な地盤固めへの対抗」

・南部連邦構想を主張するSCIRIは南部県の多くで知事、地方評議会の多数派を
 占めており、最近では、バグダッド知事を辞任に追いやり、自派の知事を立て
 るなど、その勢力拡大は露骨とも見える。

・一部バスラやマイサンなど油田地域では、サドル派やその他地元勢力の影響力
 が強い。
 
・サドル派はスンニ派の反米勢力とも一定の関係を持ち、
 イラクの分裂を危惧する国民の支持を得ている。

「南部地域は、自立か、国の統合かを巡り、
 SCIRIとサドル派がそれぞれ地盤獲得の熾烈な抗争を開始している」


 <バース党・バース主義・アラブ民族主義>
 憲法草案には、
・当初案:「サダム主義者のバース党」を禁止する
・最終案:「党」という用語が削除
 「バース主義」というアラブ・ナショナリズム思想への信奉を否定する内容に
 なっており、旧バース党員やかつてアラブ・ナショナリズムを支持した人々の
 反発、離反は避けられないだろう。

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