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2006.06.01

グルジアとアゼルバイジャンに米軍駐留:クリミア半島でNATO軍事演習

(2006.5.30)露RTR
「グルジアとアゼルバイジャンに米軍部隊が配備されることになりました。
これは、アゼルバイジャンのバクーからグルジアのトビリシを経て、
トルコのジェイハンに至る新たな石油パイプラインの警護を
米軍が引き受けることで、三国の間で合意が成立した為です。
グルジアとアゼルバイジャンは、それぞれ
アブハジアとナゴルノ・カラバフという火種を抱えています。
両政府は米軍の展開でこれらの地域問題を抑え込めると考えているようです。
米軍が、グルジアやアゼルバイジャンの国内問題に
関与するどうかは分かりませんんが、
ロシアの周辺諸国に軍を展開しようとする
意図の表れであることは間違いありません。


NATO軍は近くクリミア半島で演習を予定していますが、
クリミア半島の港では演習に参加する米軍の武器搬入が始まり、
これに抗議する地元の住民との間で緊張が高まっています。
港のあるフェオドシアでは、米軍を上陸させまいとする
地元住民がピケを張り、反対集会を行いました。
武器の搬入は後に続くNATO軍空挺部隊の上陸から
目を逸らせようとするものだと主張しています。
NATO軍空挺部隊の上陸地点はテオドシアから25km、
ロシア軍ミサイル基地の目と鼻の先です。

ポポフ記者がお伝えします。

武器の荷揚げは完了したものの、
港から演習地点に運び出す作業は始まっていません。
地元住民が港の出口を全て塞いでしまっています。
『シーブリーズ』と名付けられたNATO軍の演習は、七月に予定されています。
しかしウクライナ政府がNATO軍を受け入れるのは
違法だと地元住民は抗議しています。

『ウクライナ議会はNATO軍演習に反対の決議を行った筈です。
我々は最後まで戦います』
『テオドシアが前線基地になってしまいます。
ここは平和な保養地なんですよ』

NATO軍の受け入れが合法的でないことは、
ウクライナ国防省も認めていますが、
将来の法整備を見込んで、
米軍海兵隊の上陸や演習用の武器の搬入を許可したということです。

グリチェンコフ国防相です。
『来月の七日には外国部隊の駐留を可能にする法律が
採択されるものと期待しています』

しかしこれは単なる期待です。
いわゆるオレンジ会派が多数派を形成できなければ、
採択の見込みはありません。

『この問題は確かに議会で採り上げられましたが、
まだ成立には至っていません。
グリチェンコフ国防相は六月七日までに成立すると言ったそうですが、
何を根拠に言ったんでしょうか。
十分な賛成票を得られるとは思えませんが』

三日前、テオドシアの港に米国旗が現れてから、抗議の集会が始まりました。
装甲車を追い返す人々も米軍兵士に対しては意外と寛大です。
『ちょっとしたイザコザがありました。
バーで飲み食いした米兵がお金を放ってよこしたんです。
それからウェートレスとの間でことが起こりそうになったので、
我々が割って入ったんですよ』

今の所、ピケや抗議集会は終わりそうにもありません。
まだこれから演習用の武器を積んだ船が二隻入る予定です」

(露RTR)
「フェオドシア近郊の演習場では、建設作業などが本格化する一方、
市民がNATO軍のクリミア入りに抗議する行動も行われていて、
米軍の船が武器・兵器の荷降ろしを行ったフェオドシア港では、
既に五日間市民が港にテントを張り、昼夜敢行で抗議行動を続けています。
昨日はアメリカ軍人が居住する国防省のサナトリウム前でも
抗議集会が開かれました。
ウクライナ人権問題全権代表のカルパチアさんは、
NATO軍がクリミアに入ったことは重大な憲法違反であるとしています。

フェオドシア港の入り口では、入港中の米軍艦から機械やコンテナなどを
荷揚げするのを阻止しようとする人々がテントを張り、
見張りを続けて七日が過ぎました。
船の貨物やミサイルや兵器として使用される有害物質が
含まれていることが明らかにされています。
一方、軍艦の乗組員らの滞在する保養施設は、
これに反対する人々により周囲を封鎖され、
保養施設の職員らも食事や掃除などの
乗組員へのサービスを拒否してきました。
そこで今日は、特殊部隊が乗組員らが
この保養施設から脱出するのを支援しました。

(露RTR)6/8

「NATOとウクライナの合同演習に伴い米軍人がクリミア半島に滞在する問題で、
ウクライナ議会は今日も結局結論を出せないまま問題の決着を一週間先送り
しました。
改選されて二回目となるウクライナ議会審議は、
議会史上最も短時間で散会となりました。
『三会派から提出された審議を6月14日まで休会とする動議を採決致します』
野党の地域党と共産党にとって審議延期の動議は寝耳に水、
議長席に詰め寄り、抗議しましたが、与党議員が採決のボタンを早く押して、
審議延期が決まりました。
地域党と共産党は、議長の指示なしに発言した為、
電子投票システムを切られてしまいました。
ウクライナ共産党のシモネンコ党首です。
『これは我が国国境の違法通過であり、エハヌロフ首相代行が
国境通過に書面で許可を与えたのは、国に対する背信行為です。
議会はそのような許可を出していません』

外相と国防省の解任動議提出後、議論はされたものの、
野党がどう結束するかで再び行き詰まりました。
そこで地域党は次のような提案を行いました。
『私共は全ての会派の良識ある議員に呼び掛け、
超党派で議会運営機関を設置するよう提案致します』

一方、オレンジ革命で協力し合った与党勢力側もことごとに意見が対立し、
今日も与党の我がウクライナ党が、既に候補に指名された社会党出身のマローズ
議員を外して、自党候補を議長にしようとする動きに出たのです。
マローズ議長の与党寄りの発言に反発したようです。

マローズ議員です。
『ウクライナのNATO加盟は国民投票にかけるべきです』

NATO派議員でさえ、地元クリミア住民の抗議には根拠があると認めています。
会派チモシェンコ・ブロックのシキリ議員です。
『米軍人のクリミア入りを許したのは、大きな間違いで、
このままでは今後のNATOとの密接な協力も難しくなります』

今日の異常に短い審議で、いわゆるオレンジ連合内の軋みが
露呈する形となりました。

地域党のヤヌコービッチ党首です。
『オレンジ連合は最早存在しないと言っていいでしょう。
採決で賛成投票した227票にしても、少なくとも10ないし15票は
本人が出席しないままカードで投票されてしまっているんですよ』

一週間の審議延期で
事態が与党連合の思惑通りになることはないと野党側はみています。
与党側会派内の意見対立が強まる中、野党地域党を中心とした連合結成は
ますます現実味を帯び始めています」


クリミア共和国最高会議は先にNATO軍演習に反対する決議を採択しています。
今回ウクライナ議会は審議を延期することで、反対するクリミア住民を
兵糧攻めにするつもりだろう。しかしその思惑を覆すと
反対側勢力は意気込んでいます。
一方地元警察は、交通を遮断したり、米国旗を燃やして社会秩序を乱したとして
デモ参加者を告発しています。

(露RTR)6/9
「ウクライナのクリミアにあるフェオドーシアでは、八日、
NATO軍の演習に賛成、反対の両派が初めて衝突しました。
フェオドーシアでは、NATO1軍の演習に抗議する集会が開かれましたが、
この集会に大統領支持派の青年らが揃って黄色のシャツを着て現れ、
NATOともロシアとも仲良くするようにと呼びかけましたが、
集会の参加者らには受け入れられませんでした。
結局抗議集会の参加者らは、大統領支持派を会場から締め出しましたが、
警察も手を出さず、集会参加者らは、大統領支持派の行動を
挑発と決めつけています」

(露RTR)6/12
「米軍は任務遂行することなく、ウクライナのクリミアを離れます。
ウクライナとの合同軍事演習の準便の為にクリミアに来ていた予備役軍人に
とって、クリミアの二週間は、最初は保養所で、その後はフェドオーシアで
終日抗議活動をする人々に取り囲まれての休暇になりました。
反NATOを掲げた抗議運動は初めて成功を収めました。

フェドオーシアにいるバラーノフ記者と中継が繋がっています。

<今回の米軍のフェドオーシア出発は何を意味するのでしょうか>

「合同演習が行われたかどうかの質問は
6月14日のウクライナ議会で明らかになると思います。
11日の午前、NATOの米軍は実際フェドオーシアにあるウクライナ国防省軍の
保養施設から五台から六台のバスに分乗して、
新フェローポリ空港の方へと出発しました。
バスの窓のカーテンはしっかりと閉められ、
クリミア警察と在ウクライナの米大使館の車が車列に随行していました。
バスが保養所を出発した後直ぐに米大使館の代表が今回の措置は
予定されたものであると述べました」

在ウクライナ米大使館のバイエルス報道官の声をお聞き下さい。
「最初の予定通りに米軍の予備役兵士はフェオドーシアを出発します。
予備役は一年に二週間、軍に招集される民間人です。
予備役はクリミアに二週間滞在し、軍事義務を果たしました。
ですから彼らはアメリカに、家族の元に戻るのです」

米軍がフェオドーシアの軍の保養施設を出発した後、
保養施設の門の側で集会が開かれ、
その後抗議運動に参加した人達は港へと向かいました。
軍事演習の為の貨物がまだ埠頭に残されている為です。
港を封鎖し、ピケを張る予定としています。

ここで今回の野党の代表、抗議運動の代表者の声をお聞き下さい。
ウクライナ議会のボル・ドゥイレフ議員です。
『ウクライナの指導部を相手にして、
憲法と法律を遵守することを求めて戦っている国民の最初の小さな勝利です。
実際には国民が国家の指導部から法律を
守っているなんて全くとんでもない状況です」

抗議運動の参加者は、米軍のコンテナが全てアメリカに向けて
運び出されるまで、この港の入り口でピケを張るとしています。
合同演習が行われるかどうかは、
ウクライナ議会がこの問題を審議する予定となっている
14日を待つしかないようです」


<モルドバ>

独立を巡る住民投票は、今年の九月までに実施されることになりました。
これに対し、モルドバ共和国政府側は、
国民投票のどんな結果も認めないとして強硬な姿勢を貫いています。

未承認国家「プリドニエストル・モルドバ共和国」
(Pridnestrovian-Moldavian Republic:PMR)
1990年9月にモルドバ共和国(Republic of Moldova)から分離独立宣言
http://blog.livedoor.jp/soliton_xyz/archives/50420760.html

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