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2005.11.12

アサド大統領:「頭を下げるのは神に対してのみ」

 (2005.11.11)アルジャジーラ
・「アサド大統領がダマスカス大学で行った演説は、シリア国内の全ての勢力に
  好意的に受け止められました。特に大統領が誰にも頭を下げないと断言した
  ことが、満足をもって受け入れられたようです。

  『バッシャール・アサドは、自分や国民や祖国を世界の誰かに対し頭を
   下げさせるような大統領にはなりません。我々が頭を下げるのは
   全知全能のアッラーに対してのみです』

  大統領は、はっきとした方向性を示しました。
  その為国民はその中に今後予想される展開を見ることになりました。
  それにはシリアに対する更なる圧力の増大も含まれます。
  
  市民です。
  『これから先の段階は、シリアにとって難しいものになるでしょう。
   国民はそのことを分かっています。それでも難しい道を選んだ大統領を
   支持すると思います』

  『調査委員会やその他のこと全て、以前からアメリカの侵略的な計画に
   よって、元々決められていたものです。
   私達が何をしても仕方ないのです』


  アサド大統領は、多数のクルド人にシリア国籍を与えること、
  腐敗を追及し、会計基準を強化するなど、内政の改革を断行すると
  約束しましたが、観測筋は、今後も一般国民が政治に参加することには
  強い拒否の姿勢が見られると分析しています」

 <私の感想>

 アサド政権に批判的な勢力も、欧米のシリアへの圧力に、
無批判的に追随する姿勢は見せていないように思われます。
・反アサド・反バアス党感情と
・反欧米感情
 この両者の、バランスに踏まえているものと思われます。

 アサド大統領からすれば、国民の反欧米感情を利用し、
そこに準拠して、ナショナリズムを煽り、内部固めを基礎に、
延命しようということなのでしょうね。

 シリアとイラクのバアス党。
アラブ民族主義と社会主義を掲げる党ですが、
サッダーム・フセインもその最末期には、
イスラームを表面的には強調していましたね。
自らの延命にイスラームを利用しようとしたと思います。

 <参照>
「権威主義・独裁維持のための「多元主義」」
  バッシャール・アサド政権下のシリア

「シリア〝民主化〟への攻防」NHKBS

「シリアとレバノン」小山茂樹(東洋経済新報社)

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