« 「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」ナタン・シャランスキー | トップページ | グアンタナモ裁判 / グアンタナモで何が起きてきたのか / グアンタナモ閉鎖問題:オバマvsチェイニー »

2005.09.20

「民主化ドミノ~市民パワーと米ロの攻防~」(NHKBS世界潮流2005)

 米政府の政策と資金だけではなく、
学生運動、市民運動、民間の広告代理店:”一大民主化産業”のようなもの

・ウクライナ:ここ数年で新たに誕生した中産階級:
       市場経済化の恩恵を受けてきた企業経営者、ビジネスマンが、
       政権交代の主役を担った
 1994年クチマ大統領就任:この10年の経済改革により中産階級誕生
 国営企業の民営化、外資導入
 「民主化を進めることを条件に米は多額の援助」
 五年前、独立後、初めてプラス成長に転じる
 その後、年率8%の経済成長
 
 力を付けてきた中産階級は、クチマ政権の汚職体質が、
 自らの経済活動にとって、もはや足かせになっていると判断

「アメリカ国際開発庁支援戦略報告書」
・地元NGOへの資金援助(20億円):投票所へ選挙監視員として派遣

アメリカ国際開発庁キエフ事務所カレン・ヒリアード副所長

アメリカ民主主義基金(NED)
(1983年レーガン大統領が設立)民主化支援を民間に委ねる
職員は約百人、世界90か国を対象に活動
各国のNGOを通じて民主的な政権の樹立を目指している
運営資金のほぼ全額の8000万ドルを米政府から

今、NEDは次なる目標としてベラルーシに注目、来年夏、大統領選挙
この選挙に向けて百万ドルの予算が確保される
「予算の半分をメディア関係に、残りをそれ以外のNGOに配分」
現地NGOとは暗号でメールを遣り取り
現地若手活動家をアメリカに招き、一年間研修
(彼が図書室で手にしていた本は、「The Case For Democracy」
 ナタン・シャランスキー:邦題「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」)
ベラルーシ民主化の拠点をポーランド・ワルシャワに置いている
活動資金の六割をNEDが提供
ポーランドからベラルーシ向けのラジオ局を10月開始。
番組内容には若者の関心を惹き付ける為に音楽やスポーツなども入れる。
NEDとベラルーシ国内の野党勢力とのパイプ役も
「野党の候補者を一本化する大会はいつ」「九月末」


 今年9月、ロシア全土の公立学校で、これまでなかった新しい科目の学習が
義務付けられました。「我が祖国ロシア」
ロシアに押し寄せる民主化の波を、若者へのイデオロギー教育で阻止しようと
しています。
「愛国心」と「民主主義」を統合する教育を
官製若者組織ナーシ:イデオロギー教育を重視
「外国の影響を受けない主権国家である」というイデオロギー教育を行う
革命状況になれば、この若者達が街頭に出て闘う
中露合同軍事演習
上海協力機構:米軍撤退期限明示要求
露2006年度国家予算は2005年の1.5倍
教育・医療など社会部門の予算大幅増額

ウズベク・ジレンマ「安全保障を取るか、民主化を優先するかのジレンマ」

国家連合「民主的選択」創設:ウクライナ、グルジア、ポーランド、リトアニア
CIS首脳会議:ウクライナが統一経済圏に参加しないのなら、天然ガス代を3倍に


 <私の感想>
 次なる目標はベラルーシだと公言し、
ベラルーシの野党陣営とも打ち合わせている現場を生で放映している。
NED内部の職員や、ベラルーシの活動家まで公然と放映している。
これは一体、何なんだろう?
ソ連圏が存在したわずか十数年前なら、反体制活動家、CIAのエージェントの
スパイ活動、秘密裏に行われなければならない非公然秘密活動だった筈だ。
それを公然と放映できるとは?
それだけ自信があるのだろうか
民主化というのは、全世界で正義である筈だという信念があるからだろうか?
心から善意で行っているからだろうか?

 もちろん、背後にアメリカの国家戦略があるのであり、
それに基づいて、言わば、表返した、表側の活動として、
そういうものとして、公然と放映しているのであろう。

善意が、そのまま通じるとは限らない。
ある場合には、介入する側の善意が、
介入される側にとっては反対物となってしまうかもしれない。

寺島氏は「無邪気な傲慢さ」と表現した。
山内氏は「幸せな人達の苦悩、贅沢の中の苦悩」

|

« 「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」ナタン・シャランスキー | トップページ | グアンタナモ裁判 / グアンタナモで何が起きてきたのか / グアンタナモ閉鎖問題:オバマvsチェイニー »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「民主化ドミノ~市民パワーと米ロの攻防~」(NHKBS世界潮流2005):

« 「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」ナタン・シャランスキー | トップページ | グアンタナモ裁判 / グアンタナモで何が起きてきたのか / グアンタナモ閉鎖問題:オバマvsチェイニー »