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2005.08.11

「動き出した中印露「戦略的三角形」」石郷岡建(世界9月号)

 「動き出した中印露「戦略的三角形」」ユーラシアの新・地殻変動
  石郷岡建(世界9月号)

・中印露の「戦略的三角形」構想はプリマコフが90年代後半に提唱
しかし、中露、中印の歴史的抗争があり、そう簡単には実現できる筈もなく、
雲散霧消。潜在的仮想敵国同士でもある。

 その溝を埋めたのは、エネルギー問題
中印は石油・天然ガスの供給源が必要

・露からすれば、ユコス解体後の外資導入を中印に持ちかける。
中印の二者択一を避け、「戦略的三角形提携」を構築することが、
双方を競い合わせ、牽制するというバランス戦略。
資源開発の促進剤であり、利益損失に対する保険。

・更に、中国からすれば、日米の台湾海峡の「共同戦略目標」は、脅威。
「背後の守り」「西の守り」を確保し、「東の有事」に備える。
「東アジア共同体構想」から中印露の「ユーラシア戦略三角形」へシフト

・上海協力機構が、「ユーラシア安全保障協議の場」へと大きく様変わり
 印、パキスタン、イランがオブザーバー参加
 中央アジアからの米軍基地の撤去を要求:米戦略に真っ向から挑戦

「ロシアにとって、現時点ではユーラシアの東の三角形(中印露)と
 西の三角形(仏独露)をあわせた「ユーラシア大陸国家群の緩やかな連携」
 による「横軸」が一極支配を強める米国への対抗策となっている」

 <私の感想>
グルジア、ウクライナ、キルギスと、CIS諸国を、米の「民主主義革命の輸出」
により、いいように次々と切り取られている。
プーチンはこれにどう対抗するのか?
・中露関係を軸に、
・エネルギーを必要とする諸国にエネルギー戦略を

・上海6の対米対抗姿勢への変化
・BRICsの結束
・嫌米の中南米諸国との提携
・イラン、シリアとの提携

 現象論のレベルだが、更にその実体構造を解明する必要がある。

作用があれば、反作用が生じる。
米の国家戦略の貫徹に対して、当然それへの反作用が生じる。
そして、更にまた、それへの反作用が続く、、、
因果応報というやつだ。

 かつての、米ソ二大陣営による、世界の切り取り合戦を彷彿とさせる。

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