「中央アジアの民主化」NHK視点論点
(2005.4.12(火)放映)
山内昌之氏は、
「ソ連の時代からそのまま大統領の地位にとどまり、民主化や市民生活の改善に
背を向ける独裁者の多い中央アジア各国の首脳にとって、今度の事件は教訓に
満ちたシグナルとなったことでしょう。
グルジアやウクライナのような平和な変革が中央アジアのどこでも起こり得る
ことを示しました。
キルギスの変動は、民主化という政治的要求よりも、むしろ貧困や地域格差に
対する南部市民の不満という社会的・経済的な要求の方が大きかったように
思われます。
・キルギスの多くの地方では失業率が50%を超えている
・平均所得が一日一ドルにすぎない
・貧富は個人格差と南北格差の絡んだ複雑なものになっている
・北部はロシア化した工業地帯
・南部はイスラームや氏族・部族の影響の強い農耕牧畜社会
・「中央アジアのスイス」と謳われ、他国のモデルと高く評価:優等生だった
・日欧米からの投資、NGO、顧問が流入
対外債務が増加、政治家・官僚に汚職・腐敗が蔓延る
・他の中央アジア四か国は、もっと抑圧、腐敗の度合いが高い
民主的反対派や野党の存在が許されていない
<米>
・9・11以降、米は中央アジア諸国から、軍事基地提供
その為に体制を動揺させる民主化運動や市民の不安を無視しがち
・中央アジアの独裁者にとっては、地元の民主化要求運動や反対派をテロリスト
とレッテルを張り、排除するのにも有用だった
・過去四年間、ブッシュ政権は中央アジアの体制安定を優先させたことは明らか
<露>
・タジキスタンとキルギスに軍事基地を所有
・トルクメニスタンのガスの開発・供給・輸送を独占
<中>
・新疆ウイグル自治区のムスリム住民の抵抗・分離運動
<私の感想>
中央アジアでも政治力学が変動を始めた。
カスピ海資源を巡る米露の角逐
<経済的な戦い>と<政治的な戦い>と<軍事的角逐>
縦糸と横糸のように絡み合い、
しかも、<米>対<中・露>対<EU>という三つ巴の戦いでもあると思う。
これら三実体は、色々な局面で、<歩み寄り>と<反発>を繰り返しながら、
それぞれの利害貫徹を狙っていくと思う。
現在は、<米>からのジャブを数発連続して喰らった<露>も、
当然、それを分析し、巻き返しを図ってくると思う。
米の策謀を<どう分析>し、<どう反撃していく>のか
諸実体の動向を注視し続けねばならない。
<参照>
ウズベキスタン・キルギス (BBC)
http://jp.youtube.com/watch?v=PrZbkYJQWNM
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