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2005.03.20

北朝鮮の公開処刑復活の意味するもの

 「真相報道バンキシャ」2005.3.20(日)放映

 ここ2、3年はほとんど行われていなかった公開処刑。
2005年3月1日会寧市、中朝国境の街。
翌3月2日遊仙(会寧から12キロ)

「昔の公開処刑は殺人犯だけでしたが、今は祖国反逆罪という
 理不尽な法律を作りそれに全部当てはめて人々を殺しているのです」
(脱北者:朝鮮日報記者カン・チョルファン氏)

 公開処刑の場で、宣伝カーは「国境の徹底封鎖」を連呼していました。
3月2日の遊仙の公開処刑の場では、
「違法的に不法越境を図ったり、不純録画物を流布させる者は革命の敵と認め
 厳罰に処し」と宣伝カーががなっていました。

「不純録画物」とは韓国ドラマのビデオを指します。
会寧の向かい側の中国の延吉市のビデオショップの店員は、
「北朝鮮の人は少ないんですが、北朝鮮に売っている人(バイヤー)が
 よく買いに来ます」と答えていました。

 RENK代表の李英和氏によると、北朝鮮の内部文書には、
「異色的な録画物と出版物を利用・流布させる現象と力強く闘争しよう」
「かつての東欧社会主義の苦い教訓が示している」

 中国延吉の携帯電話ショップの店員は、
「北朝鮮で基本的に使えます」
「買うのに証明書とか要るんですか?」との質問には、
「最近は要りません」と答えていました。
国境に近い地域では、北朝鮮側でも中国の携帯電話が使えるという。

 韓国にいる脱北者は、北朝鮮の知人と携帯電話で連絡をとっている。
北朝鮮の知人は、時刻を決めて、その時だけ携帯の電源を入れるという。
「(長電話すると)探知機があって追跡してくるのです」
「10分までとにかく気をつければ電話できます」

 映像を入手したジン・ネット代表高世仁氏は、
「公開処刑が一番多かったのは90年代後半で、飢餓で、牛を殺して食べたとか
 工場から資材を盗んだとか」
「国境の街で公開処刑が復活したというのが非常に重要で、つまり国境で起こっ
 ている事態を金正日政権が危機的な事態だと認識していることを示している」
「逆に言うと、今、北朝鮮にとっての最大の弱点は国境にある」

 <私の感想>
・脱北者の増加
・不純録画物の流入
・携帯電話の流入
 これらに対する独裁者の対抗的な見せしめ、恫喝が、公開処刑の復活だと
 思います。
・公開処刑復活の場が中朝国境付近だということ
・処刑されているのが、脱北者を手引きした者だということ

 独裁者自身が「かつての東欧社会主義の苦い教訓が示している」と、
 事態を正確に認識していると思います。
 そして、それは、もはや留めることは不可能です。
 それ故、独裁体制崩壊の必然性はあると思っています。

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