「イスラム女性新時代」モロッコ・カサブランカ
「イスラム女性新時代」モロッコ・カサブランカ
NHKBS地球街角アングル(2005.2.25(金)放映)
カサブランカで有名なモロッコ王国。
カサブランカでは携帯電話を片手に闊歩するビジネスマンの姿が多く見られます
・1957年制定の家族法
・妻は保護者である夫に従うこと
・女性は結婚に際し男性家族の許可を得ること
・一夫多妻を認める
・夫は同意なく妻を離婚することができる
・新家族法2004年2月
・家庭における夫婦の責任を同等とする
・女性は自分自身で結婚を決めることができる
・結婚時に妻は夫に複数の妻を持たないよう求めることができる
・女性からも離婚を請求できる
2004年1月に家庭裁判所が初めて創設されました。
「離婚の手続きをしに来ました。前よりずっと手続きが早くなりました」
「家庭裁判所はじっくりと人の話を聞いてくれます」
イスラム教の国では、結婚する時に、結納金の額や、離婚した時の
子供の養育権に至るまで細かい内容の契約書を交わすのが普通です。
家庭裁判所では、新家族法に基づき、女性に不利な点が契約書に
残らないよう指導します。
「結婚を決めるのは愛情なんだ」
新家族法は、まだまだ国民全体に根付いていないのが現状です。
その原因の一つは、女性の教育の遅れです。
2000年の調査によれば、女性の三人に二人は読み書きができません。
これまでの男性優位の社会では、女性に教育は必要ないとする考え方が
一般的だったからです。
ある女性人権団体は、成人女性を対象に識字教育や無料相談などを行い、
女性の新しい権利を浸透させようとしています。
「読み書きを習ったおかげで、今では町や役所、駅でも困りません。
子供の宿題も見てやれるようになりました」
「読み書きの出来ない人や地方に住んでいる人にはまだまだ浸透していない
のです」
・女性企業家振興協会エスポッド
女性の企業を支援、融資の支援等々
女性が銀行から金を借りることは難しいことだった。
女性の為の職業訓練施設を支援(美容・裁縫の研修・資金調達)
<私の感想>
モロッコでは、女性の社会進出は既にかなり進んでいました。
女性の経済進出という現実を、法律が事後的に追認したものとも言えると
思います。
ダボス会議に出席していたアラブ紙のアルハヤトの編集長は、
「モロッコでも民主主義なんてない。国王は、いつでも好きな時に、
取り止めることもできるのだから」と述べていました。
まあ、それはそうなのかもしれませんが、世界の動向、他のイスラム諸国の
動向から、完全に”自由”である訳もないとも思います。
また、モロッコ一国の経済発展それ自身からいっても、男女平等の社会の方が
より良い社会的基盤になるとも思います。
更には、一度男女平等が実現されれば、そこから逆行することには、
かなり難しいのではないかとも思われます。
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