「ロシアン・ダイアリー」アンナ・ポリトコフスカヤ
アンナ・ポリトコフスカヤ:一周忌 (VIDEO 8:22)
http://jp.youtube.com/watch?v=6_5K_QhvzY4
①<経済構造>:国家資本主義
「財界新興財閥から政界新興財閥へ」
「国家経済は、主たる政府役人が新興財閥である官僚経済」
「超独占企業は、今や新興財閥となった元秘密警察の連中に支配されている」
②<統治形態>:議会制民主主義の死
「私達はプーチンの時代にロシア議会民主制の危機を経験しているのだろうか。
いや、私たちが経験しているのは、その死だ」
何故なら、
第一に「政府の立法と行政機関が癒着」
第二に「ロシア国民が選挙結果を容認してしまった」
地方行政の首長を直接選挙から大統領の任命制に
③<ナーシ:下からの大衆運動>:ファシズムの本質的属性の一つ
①について、
ロシア経済はプーチンのFSB人脈が国営大企業を支配する構造になっている。
つまり、国家資本主義と規定してよいと思う。
②について
ロシアの統治形態は議会制民主主義が後退し、
司法の独立、メディアの独立が殆ど確立されておらず、
FSBを実体的基礎にした大統領専制の強権的支配体制だと思う。
③について
「ナーシは、しばらくすると自然消滅するだろうと私は思っている」
アンナ・ポリトコフスカヤのこの予測は外れている。
ナーシは短命ではなく、プーチンの国家戦略に基づく機関で、
国内的には反対運動の弾圧機関であり、
国際的にはアメリカの民主主義革命の輸出戦略に対する、
大衆運動場面での対抗運動だと思う。
プーチン体制を大衆運動場面で下支えするもので、
そういう意味では、ファシズムの本質的属性の一つである。
ナチスのヒットラー・ユーゲント、反対運動を圧殺した
突撃隊の役割を果たしている。
<アンナ・ポリトコフスカヤに欠如しているもの>
①プーチンが何故高支持率なのかの分析の欠如
「強いロシアの復権」を果たし、高い経済成長率達成という実績
ソ連崩壊後十年間の全国民的屈辱
政治的にも経済的にも三流国に転落し、ほぼ全国民が辛酸を舐めた
第二次チェチェン戦争を利用し、ロシアナショナリズムを高揚させ、
経済的には原油高もあり、石油・天然資源を財源に高い経済成長率を達成
②国際的なロシアの世界戦略の分析の欠如
一超帝国アメリカに如何に対抗するか
グルジア、ウクライナ、キルギスへの
アメリカの民主主義革命の輸出戦略に如何に対抗するか
上海機構の準軍事同盟化を基礎に、反米・非米の世界戦略を構築している
政治的にはCIS諸国を再度一定程度取り込み、
アメリカの民主主義革命の輸出戦略に対抗し、
ウクライナでは親露派政権へ逆転
カスピ海資源争奪戦に圧勝し、アメリカのBTCパイプライン構想を撃破
更には第二OPECや天然ガス版OPECまでをも構築せんと狂奔している。
資源を活用した経済戦略まで発動している。
国際通貨のドル支配体制からユーロ建て、更にはルーブル建てをの策している。
南米やアフリカの反米・嫌米諸国をもとりまとめ、
反米の世界包囲網を構築せんとしている。
東欧へのMD配備に対しては、逆提案を行い、
独仏中軸と東欧諸国との間に楔を打ち込んでいる。
このようにロシアは、アメリカとの対抗軸を中心に、
国内・国際的に規定されている。
一超帝国アメリカによって規定され、
それを規定し返している。
そういう相互関係に於けるロシアという観点が欠如している。
そういう米露の角逐という世界情勢の中で、
ロシア一国の国内問題もあるのであり、
そういう意味では、「内とは外であり、外とは内である」とも言える。
一超大国アメリカの民主主義革命という策謀に如何に対抗していくのか、
それを中露を中軸とする上海機構の準軍事同盟化を機軸に、
反米包囲網を構築するまでに至った。
既に力関係の逆転まで生起している。
つまり、アメリカの一超帝国の終焉をもたらした。
ロシア国民は、このような「強いロシアの復権」に満足しているのであり、
それ故、プーチンは高い支持率を得ているのだ。
しかし、プーチン体制にも弱点は多くある。
経済的には、天然資源と軍事産業以外に、経済競争力のある産業は
育成されておらず、極めて奇形的な経済構造のままである。
政治的には反体制派を強権的に弾圧しているが、
反対派が消滅した訳ではない。
「差障りがあるからとロシア国内では出版されない本を書いても
大した意味はない。本は外国に住む人々に読まれるだけだから」
それは全くその通りだ。
ロシアの「政治」を変革する主体はロシア人なのだから。
ロシアにもまだ反対勢力は存在している。
最大の反対勢力は共産党だが、共産党以外にも、
共産党の反対方針を乗り越えて戦っている、
苦闘している数多くの政治組織が確かに存在している。
彼らの苦闘にこそ迫っていくべきなのであって、
アンナ・ポリトコフスカヤ個人を過度に崇拝することには疑問がある。
ロシアの本当に厳しい現実の只中で苦闘している人々に
迫ることこそが大切だと思っている。
ロシアは今 2008
http://www.veoh.com/videos/v16645723gTEBhfxY
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Should we be Scared of Russia?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/panorama/7648564.stm
ロシア 政権支持の新党結成
http://s04.megalodon.jp/2008-1117-1146-35/www.nhk.or.jp/news/k10015421541000.html
メドベージェフ大統領は、今月の年次教書演説の中で、
小政党が議席を獲得できる可能性を拡大すべきだという考えを示しており、
今回の新党結成はこれに触発される形で、リベラル派の中で政権を支持する
勢力が結集する動きとして注目されます。
一方、メドベージェフ政権も金融危機や汚職に対して有効な対策を打ち出せず、
既存の政権与党の求心力が低下するなか、新たな支持の受け皿として協力して
いくものとみられます。
ロシア:「反プーチン党」消える
http://s02.megalodon.jp/2008-1117-1149-26/mainichi.jp/select/world/europe/news/20081117k0000m030033000c.html
エリツィン政権時代の与党の流れをくみ、プーチン前政権と対立してきた
リベラル系野党は、政界の表舞台から姿を消した。
ロシアで「リベラル派」統合の新党が誕生
http://s02.megalodon.jp/2008-1117-1157-00/www.asahi.com/international/update/1117/TKY200811160178.html
合流した野党勢力は政権に近いともいわれ、
新野党の「官製野党」化を懸念する声も出ている。
民主党の党首は「統一ロシア」の創設にかかわるなど政権に近いといわれる。
右派勢力連合の創設にかかわり、エリツィン時代に第1副首相を務めた
ネムツォフ氏は、新党結成について「政権のしもべとして働くのか。
最後の自由な政党がなくなってしまう」と反発している。
ロシア 軍需産業で資金不足
http://s02.megalodon.jp/2008-1112-1629-26/www.nhk.or.jp/news/k10015319361000.html
シベリアの石油ブーム:Siberia basking in the oil boom
http://www.veoh.com/videos/v14084176swZhyd94
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Siberia basking in the oil boom
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/7119832.stm
Siberia basks in the oil boom (VIDEO 14:08)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/7414532.stm
ポリトコフスカヤの書物公刊:Politkovskaya's diary published (Ch4)
Politkovskaya diary published (VIDEO 4:47)
http://www.channel4.com/player/v2/player.jsp?showId=5443
Politkovskaya's diary published
http://www.channel4.com/news/articles/politics/international_politics/politkovskayas+diary+published/323447
In death her fearless pursuit of the truth continues.
A diary she completed just before she was murdered last October
is about to be published.
死に際して彼女の真実追求は継続します。
昨年の10月に殺害される直前に完了した手記が出版されようとしています。
The diary is a pitiless report on corruption in Russia.
On the eve of its release, Channel 4 News has spoken exclusively
to her sister, Elena.
手記はロシアの腐敗・汚職に関する情け容赦のない報告です。
発売前夜に、チャンネル4ニュースが彼女の姉妹エレナに
独占インタビューしました。
Gunned down in the lobby to her flat last October,
her apartment was searched, her computer files taken.
昨年10月住居のロビーで銃で殺害され、アパートは捜索され、
彼女のコンピューター・ファイルは持ち出されました。
But hidden was her last manuscript.
As her friends mourned her death,
her last book was spirited out of Moscow.
It chronicles Putin's re-election.
And it pulls no punches.
しかし彼女の最後の原稿は隠されていました。
友人達は彼女の死を嘆き悲しむとともに、
彼女の最後の本はモスクワから生気を与えられました。
それはプーチン再選を時系列に沿って記載します。
そして手加減はありません。
Rya wore local dress, took her glasses off in spite of being deporting
from Chechnya, Politkovskaery short-sighted, and risked her life.
She was passed a video shot by a Russian soldier of Chechen soldiers
who've surrendered to Federal troops.
ポリトコフスカヤは近視の眼鏡を外し、地元のドレスを着て、
チェチェン共和国から追放されているにもかかわらず、
命を危険にさらしました。
彼女はロシア連邦軍に投降したチェチェン兵士達が
ロシア兵に撃たれるビデオを手渡されました。
In the last chapter, entitled Am I Afraid?,
she talks about how she believes millions of the poor in Russia will die
if the country's economic and political policies continue.
「私は恐れているか?」と題された最後の章で、彼女は
もし国家の経済的、政治的政策が継続するなら、
ロシアの貧しい人達が何百万人も死ぬだろうと
彼女がどのように信じるに至ったかについて語ります。
And she reacts to criticism that she's not optimistic enough
about Russia:
"If anybody thinks they can take comfort from the optimistic forecast,
let them do so.
It is certainly the easier way,
but it is also a death sentence for our grandchildren."
そして彼女がロシアに対して楽観的ではないという批判に反論します。
もし誰かが楽天的な予測に慰めを得ることができると思うなら、そうして下さい。
それは確かにより容易な方法です。
しかしそれは孫達にとっては死刑宣告でもあります。
Anna's daughter got pregnant last autumn.
She promised her children that as soon as a grandchild was born,
she would stop writing about the war in Chechnya
and would write about something more pleasant.
アンナの娘は昨年の秋、妊娠しました。
アンナは、孫が生まれたら、チェチェンでの戦争について書くことを止め、
何かもっと楽しいことについて書くと子供達に約束しました。
But that never happened.
Anna was shot dead in the elevator of her apartment building
on 7 October 2006.
Her grandchild was born nine days ago.
しかしそんなことは起こりませんでした。
アンナは2006年10月7日、アパートのエレベーターで撃たれて亡くなりました。
彼女の孫は七日前に生まれました。
<参照>
故アンナ・ポリトコフスカヤの書いたもの3本がガーディアンで。
http://nofrills.seesaa.net/article/36464110.html
The Kremlin's new commissars
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/5169610.stm
Russia's youth rises to champion old values (VIDEO 13:41)
http://news.bbc.co.uk/media/avdb/news_web/video/9012da68004b010/nb/09012da68004b201_16x9_nb.asx
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