チェチェンでロックフェスティバル / プーチン大統領:チェチェンを電撃訪問
チェチェン地元政府主催で、
チェチェンでは初めてのロック・コンサートが開かれました。
ロシアRTRの報道
「アルコールはなし、煙草もライターもなし、
人々の手にはチェチェン共和国とロシア連邦の旗。
この点を除けば、チェチェンで初めてのロック・フェスティバル・
フェニックス、他のロック・フェスティバルと何も変わる所はありません。
カディロフ第一副首相です。
『参加者の皆さんの熱意と良き市民としての行動に感謝します』
モスクワの中心広場で世界のスターを集めて行われるフェスティバルにも劣らない舞台。
何十ものテレビカメラ。モスクワへの生中継。一万人を超える観客。
オープニングはアレクサンドル・クチコフのババロート。
副首相も一緒に口ずさみます。
アガサクリスティ、夜のスナイパーなど人気グループが次々と登場。
ミョルトブイデリフィンのボーカルは、チェチェン出身のアルトゥール・アタパーノフ。
副首相も舞台の前で一緒に歌い、踊ります。
フィナーレは主催者も含め、全員の大合唱となりました」
「フェスティバルは二回延期され、一度は中止かとも思われましたが、ついに実現しました。
フェニックスと名付けられたロック・フェスティバル。
これから毎年開催されることになっています」
Pro-Moscow Officials Set to Rock Chechnya
・チェチェン第二の都市グデルメスで行われた
・6時間もの長さ
・15000枚のチケット
・3000人の警備
参加者の一人一人がどういう気持ちで参加したのかは、私には分からない。
ミュージシャン達の想いも一人一人違うだろう。
しかし、主催者達の思惑だけは、はっきりしている。
「どうです、チェチェンも『平和』になったでしょう」というアピールを
チェチェン内外に示したかったということだ。
このコンサートが行われている時にも、
チェチェン南部の山岳地帯では、チェチェン人同士が、その最前線で殺しあっている。
内陸部では、ロシア軍の『テロリスト掃討作戦』という名の
チェチェン一般市民への地獄の業火が見舞っている。
隣国のチェチェン人難民キャンプでも同様の地獄の業火が襲っている。
「戦争の参加者は、ロシアも、チェチェン武装勢力も、イスラム原理主義者も、
みんなが得をしている。すべてを失うのは市民だけだ」
チェチェンの内幕を暴くべきジャーナリストは、
チェチェンではほとんど全く取材もできない。
わずかに数名の良心的ロシア人ジャーナリストの
文字通り命懸けでの取材がいくつかあるだけだ。
ソ連崩壊後のロシアでは百人以上のロシア人ジャーナリストが殺害されている。
現在のチェチェンの悲劇が、数年後のイラクで起きないとは誰も断言できない。
数年後のイラクで、現在反米武装闘争を闘っているアラブ・スンナ地元武装勢力
が、その多くが、政府軍側兵士となり、反政府武装勢力側は、ワッハーブ派の
外国人を主力としたイスラム原理主義超過激派という構図。
その背後で外国軍が、一般市民を『掃討作戦』するという構図。
そうは絶対にならないとは、私には断言できない。
そうならない為には、現在何をすべきなのだろうか。
<現在のチェチェンの状況>
「独立派幹部が共和国政府に投降するという状況はあるものの、
逆に過激な武装勢力に加わる若者達は後を絶ちません。
過激なイスラム原理主義が浸透するとともに、北コーカサス全体に広がっています」(NHK石川氏)
バサーエフの武装勢力に対して実際に戦っているのは、
チェチェン共和国特殊部隊とロシア軍参謀本部の特殊部隊です。
いずれもロシア人は含まれず、チェチェン人のみから構成されています。
ロシア軍特殊部隊は元々親ロシアのチェチェン人から構成せれているのに対し、
共和国特殊部隊は、投降した元独立派から構成されています。
暗殺されたカディロフ前大統領が、独立派の宗教指導者からロシア側に移ったように、
イスラム過激派の勢力を抑え切れないマスハードフ元大統領に見切りをつけて、
ロシア側に投降した人々がほとんどです。
「私達はマスハードフ元大統領にバサーエフと別れてイスラム原理主義と戦う
ように求めました。しかし彼は優柔不断で決断しませんでした」
(特殊部隊司令官)
グローズヌイ大学、構内は一万人以上の学生が通う。
「チェチェンでは若者であることは、それ自体で危険を伴います。
テロリストと疑われる危険、テロに遭遇する危険。
午後になると、暗くなる前に学生は家に戻ります」
クラスでは、ロシアのテレビであたかもチェチェンの少女達が全て自爆テロの
志願者であるかの如く伝えられていることが話し合われていました。
ある女子大生は、
「ロシアのテレビで見る西側の暮らしはやはり魅力的です。
しかし、私達は自分達の習慣や伝統を守っていきます」
「今、自分達が毎日強くなっていると感じます」
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プーチン大統領:チェチェンを電撃訪問
(2005.12.12)ロシアRTR
「プーチン大統領は12日、チェチェン共和国議会の第一回目の会議に出席しました。
まさに三年前のこの日にプーチン大統領がチェチェン共和国憲法に関する
国民投票実施の大統領令に署名したことは象徴的なことです。
民主主義体制が再建されたことをプーチン大統領は喜ぶとともに課題を提起しました。
12日、新しいチェチェン議会は当初日程の変更を何も予定していませんでした。
58人の新しい議員の名前が読み上げられ、議員の資格認定書が手渡されました。
休憩中、ヘリコプターが中庭に着陸したことに
誰も特別に注意を向けることはありませんでした。
偶然窓のそばにいた人がヘリコプターから出てくる人物に気がつきました。
アルハーノフ・チェチェン共和国大統領は慌てて議員を議場に呼び集めました。
アルハーノフ・チェチェン共和国大統領です。
『尊敬する同士の皆さん。プーチン・ロシア大統領です』
「武装勢力側で偽りのスローガンや理想を守ろうとする人達は、
そして兵隊として利用されている人々、
10ドルで地雷を敷設したり、銃撃を請け負うような人達は
ロシアが常にイスラム世界の利益を守る誠実な、
信頼性の高い擁護者であることを知らないか、または忘れてしまっています。
ロシアは常に最も優れた信頼性の高いパートナーであり、同盟者であります。
ロシアを破壊すること、つまり彼らは彼らの正当な権利を国際社会で求める
戦いの上で、イスラム世界の主要な擁護者の一つを破壊しているのです」
アラブ連盟やイスラム諸国会議機構の名前を採り上げた後、
次にプーチン大統領はチェチェン共和国が抱えている問題
チェチェンの有権者が議員に解決を期待している問題について触れました。
「最初に解決すべき問題は、いまだ戦いを続けている人達に対して、
あなた達は偽りの、そして自分の恐怖の為に自分達の国民にとって
有害な目的を追求しているんだと納得させることです。
第二にチェチェン共和国の治安機関、それは裁判所であり、検察であり、
内務省なのでありますが、これらの組織を強化する必要があります。
そして法律違反が特に誘拐などの大きな法律違反がなくなるようにしなければなりません。
法律に違反する者は、その人物が地元の権力機関に、連邦の権力機関に
属していようと、現行のロシア連邦の法律に基いて
摘発され、罰を受けなくてはなりません。
最も困難な問題は、経済・社会問題です。
十年の間の損失は破滅的に大きいものになっています。
農業、建設、石油生産といった、これまでの伝統的な産業分野を
再建させるだけでなく、新しい産業を育てなければなりません。
連邦の支援なくしては解決できない問題があります。
それは一つや二つの問題ではありません。
もっとたくさんあります。
その中でも一つ採り上げたいのは、グローズヌイ市復興問題です。
チェチェン共和国の中心都市グローズヌイの復興に向けて
本格的に取り組むべき時がやって来ました」
更にプーチン大統領は各権力機関の正常な連携なくしては全ての問題を
解決することはできないと述べ、その為には妥協する必要もあるが、
カフカス地域ではこれはとても難しい問題だと述べました。
理由について、民主主義がより効果的に働く条件が
何も考えられていないからであると述べました」
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