チェチェンと石油
ロシアは多民族連邦国家ですから、チェチェンの独立を認めれば、
他の民族が独立することを認めない理由はなくなりますから、
チェチェンの独立を認めないという要素は確かにあるとは思います。
しかし、現実には、小さな民族共和国はロシア中央からの経済支援抜きには、
経済的にはやっていけない以上、現実には、ロシア中央と政治的に妥協し、
ロシア側も大幅に自治権を認めるという方向で妥結しているのだと思います。
特別に大量の資源を抱えているとか、アメリカが特別の経済支援を行い、独立
を経済的に支えるとかいう要素が加わらない限り、現実には、独立は難しいので
しょうね。
・イスラム化への懸念
イスラム化ではなく、いわゆるイスラム原理主義過激派が台頭することに
対しては危機感を持っているのでしょうね。
この勢力がロシアの他のイスラム系民族自治共和国で力を付けることには警戒
していると思います。
言わば、『イスラム原理主義革命の輸出』は許さないということだと思います。
一部TV報道では、チェチェンでの石油利権、カスピ海石油ルートがチェチェン
の首都グロズヌイを通るということが語られているが、バクー油田からの石油
パイプラインは、チェチェン迂回ルートが2000年に完成。
・三井物産戦略研究所
・INTERNATIONAL HIGHWAY PROJECT
だから、現在のチェチェンには、バクーからの石油パイプライン云々は、
もう関係ないと思うのだが、、、
第一次チェチェン戦争のロシア側の一つの大きな原因は、このカスピ海の資源
という国家戦略に関する利権、バクーからの石油パイプラインの通過料という
利権が確かにあった。これがチェチェンを通過しているから、チェチェンの独立を
認めないという要素は確かにあった。
しかし、既にチェチェン迂回ルートが完成しているため、チェチェンでの、
このカスピ海石油利権という問題は存在しなくなったと思う。
第二次チェチェン戦争前に、チェチェン迂回ルート建設に着工しているのだか
ら、第二次チェチェン戦争にとっては、カスピ海石油ルートの問題は、関係が
なくなっていたと思う。
チェチェン国内で産出される石油は、微々たるものだ。
ロシア連邦が、このチェチェン産出の石油資源を守るというのは全く正しくない
と思う。
このチェチェン国内での石油産出は、ロシア連邦中央にとっては、何の問題で
もないが、チェチェンを実行支配する勢力にとってのみ利権が問題であると思う。
つまり、地元の政治勢力にとって、ほとんど目ぼしい産業のないチェチェン
では、「誘拐ビジネス」を除けば、唯一最大の経済基盤であり、事実、91年以降
のチェチェン国内の政治勢力間でその利権を巡る争闘が激烈に戦われた。
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