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2005.03.23

「議会選挙延期:苦境に立つカルザイ政権」

 「議会選挙延期:苦境に立つカルザイ政権」
 NHKBS(2005.3.23(水)放映)

 アフガニスタンでの議会選挙が9月に延期されました。
延期はこれで三度目です。
 下院議会議員と州議会議員選挙の投票を9月18日に実施する。

 延期の理由は、
・有権者登録に必要な人口の調査が一部の地域で遅れている
・4000万枚の投票用紙作りが間に合わない

 カブールのNHK青木記者は、
「一番の理由は治安の安定が今も図れない状態にあります。
 南部のザーブル州など一部の州では、タリバンの残存勢力をはじめとする
 武装勢力の襲撃などで治安が悪く、人口調査を始める時期が大幅に遅れたり、
 今も実施できないままになったりしています。
 
 選挙では、どの地域に何人住んでいるかを確定する選挙区の区割りを
 しなければなりません。州や市の境界線を決めることになっています。
 しかし、この作業は、軍閥にとっては、言わば『縄張り』を決めることです。
 それぞれの利害が直接にぶつかる為、調整が難航しています」

 カヌニ元教育相は、軍閥勢力を束ねて、全国政党を作ろうとしています。

 軍閥が今最も反発しているのは、タリバンの中でもテロ活動を続ける強硬派と
は一線を画しているとされる穏健派タリバンとカルザイ政権の接触です。
 
 穏健派タリバンは、元外務省のメンバーを中心とし、大統領選挙で、
カルザイ大統領への支持に回りました。

 カルザイ政権は、武器を捨てれば、身柄を拘束せず、一般の生活は保障すると
呼びかけてきました。
 穏健派を取り込んで、タリバンの活動を押さえ込もうというものです。
 大統領報道官は、
「悪いことをしたのはごく一部の人で、ほとんどは同じ国の一員です」

 穏健派タリバンの中心的存在であるムタワキル元外相と交渉を続けています。
こうした取り組みは、軍閥だけでなく、国民からも強い反発をよんでいます。
「まだテロ活動を続けているんだから迎え入れるべきではないね」
「タリバンに頼るなんて政府は弱腰すぎる。他に取るべき方法があるだろう」

 大統領選ではカルザイ氏を支持した政党の中には、成果が挙がっていない
として、議会選では支持しないと表明している政党もあります。
「残念ながら全ての行政機関で不正は続いています。
 判事でさえ金がなければ何もしてくれないんです」

 青木記者は、
「カルザイ政権への支持を明確に打ち出している政党が今の所ないだけに、
 仮にこのままの状態で選挙が実施されますと、議会の大勢を野党勢力が占める
 ことにも繋がり兼ねず、カルザイ大統領は厳しい政権運営を迫られそうです」
「市民生活を脅かす凶悪な事件が一向に収まらないことへの不満。
 例えば、カンダハル州では、子供の誘拐事件が相次いでいます。
 数千人の市民が地元の警察当局を非難するデモ
 凶悪事件やテロに脅えている市民は政府への不満を募らせています」


 <私の感想>
 恥ずかしながら、私は穏健派タリバンという存在を知りませんでした。
しかも、彼らがカルザイ氏を支持していたことも知りませんでした。
元外相のムタワキル氏ら外務省の人々が、バーミヤンの大仏破壊に反対し、
一時は、優勢でしたが、その後、ビン・ラディンからの進言を受けて、
大仏破壊に至ったと、NHKBSの番組で観たことがあります。
 確かに、ムタワキル氏ら外務省の人達等、近代的な思考のできる人達が
いたこともまた事実だと思います。

 アフガニスタンで穏健派タリバンを受け入れるということが、
イラクでスンニ派武装勢力とも妥協し、停戦するということとがダブります。
スンニ派武装勢力は、民族派と宗教派が半々だそうだが、その内の穏健な勢力と
妥協することは、決して不可能なこととも思えません。
憲法制定への参加を表明している穏健なスンニ派の政党や聖職者協会を媒介に
して、水面下で停戦交渉を進めて欲しいと願っています。


  NHK(2005.5.20(金)
  タリバンのラジオ放送「イスラム原理の声」
  4年前、米軍の空爆で送信を中断。
 先月再開、車に送信機を乗せて、移動しながら送信。

 独立委員会は、政治プロセスに参加するタリバンに恩赦を与えるべきと声明。

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